御本人には関係ありません
「ぱっぱッ、」
「あらッ、パパ!××✕が喋ったわッ!」
「え!?本当か!?」
俺が初めて喋った言葉は「パパ」だった。
お母さんも、お父さんも、この頃は優しかった。
『この頃は』ね
俺の家は村の中で裕福じゃないけれど、
すごく仲が良かったんだ。
それが壊れたのは、
能力のせいだ。
能力「青鬼」
人間を喰らう。
それに親は怖がった。もちろん仲が良かったやつも。
全て無くなった。
親も
友達も
そして。
「生きている意味さえも」
やがて俺は村を追い出された。
もちろん素直に出ていく
はずもなく
暴れてから行こうとした
キュッ
「…?」
誰だろう。
「かっ、こいい」
「…」
小さくて
俺と似たような格好してて
頭がおかしい子だった。
何?
人を殺してるやつを
「かっこいい」
って
頭がおかしいとしかいえないだろ。
「僕、この先の道案内できる」
「だから、…僕も一緒に連れてって」
めんどくさいから連れてなんて行きたくない。
途中で泣かれたら困る
愛着が湧いて、離れられなくなったら。
俺は__
「おにいちゃん…?」
「いいよ」
勝手に口から出た
こんな俺でも一人は寂しいみたい。
「行きたいなら…死ぬなよ。」
「!うんッ」
無茶だ。
青鬼は能力を解放すると、不老の能力も手に入る。
死ぬことはあるけれど、歳をとることは無いんだ
だから、君が死ぬのを俺は見届けないといけなくなる。
でも、
それでも
寂しいから。
いいよと言ってしまった。
「名前は?」
「僕の名前はない」
「そっか。俺は…らっだぁ」
親につけてもらった名前なんてもう必要ないから。
「君の名前はこぼせくんね。」
「こぼせ…?」
「そう。ここからは僕が説明するよくん。。」
「うん!ありがとう、らっだぁッ!」
久しぶりに胸が暖かくなった気がした。
𝐍𝐞𝐱𝐭♡500
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