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こはる
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#切ない
こはる
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第62話
でも、食後はいつもより苦しかった。気持ち悪かった。ぼんやりして、眠くないのに、身体が動かない。
毒、かな……?
「忌み子はいらないわ」
そんな冷めきった愛情ゼロの声と共に意識が遠のいた。
苦しい。苦しいよ。
身体は動かない。ぼんやりとした意識の中、ここは家ではないという事だけが分かった。
やっとの事で身体を動かしたらお母さんが棺の中で冷たくなっているのが見えた。
お兄様が涙を流していて、知らない男もいた。怖かった。何が起きているのか分からなかった。
❂
俺が起きると、リナが俺の汗を拭いたり……知らない魔道士みたいな人を縛って部屋の隅に重ねてたり……何が起こったんだろう……?
確か、俺は部屋に入ってあの瘴気に飲まれて……
俺は重い身体を起こして、伸びをした。自分の鼓動が速くて、うるさい。
「ノアっ。ごめん……」
リナが俺の事を一目見ると謝られた。
「私が、身勝手な行動で……傷つけちゃった。本当、ごめん」
え? あの時は……
「いや……俺の不注意でこうなった。謝らないでくれ」
「もう、二度とこうならないように。言い聞かせるから。命があったら、生と死は隣り合わせなの。その中で時間が過ぎていく」
『生まれる』『死ぬ』『時間』
それが、世界に欠かせない三つらしい。誰もが最初は生まれて、最後は死んでいく。でも、誰が生まれようが、誰が死のうが、関係無しに時間は進んでいく。
……ん? 言い聞かせるって?
「この剣に触れたの?」
そう言ってリナは、一つの剣を手に取った。
あの部屋にあった剣だ。
「剣に触れてないと思うが……部屋に入ってから記憶が無い。何かに意識をのまれたような……そんな感覚だ」
「記憶をのまれたような……」と口の中で言葉を転がしている。
急に首が締まった。
何? 苦しい……
「ノアっ!」
ドタバタさせてるけど振り払えない。
この前のような……そんな感覚だ。
「解くから……もう少しの辛抱よ」
苦しいっ……呪い……?
『……複雑な呪いのかけ方だね』
ソースの声も少し聞こえた。
耳鳴りは強くなっていく一方。苦しい。
でも、リナが「解けたわよ」と言った瞬間、その首を絞めていた何かが外れた。その何かと共に、涙腺も切れた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
ボロボロと涙が瞳から溢れ出して、呼吸も落ち着かない。
「……本当、何も分かってない」
え? 何が?
「少し、寝てて。苦しくなったら、このペンダントを握って。駆けつけるから」
そう言って俺に光魔法をかけて寝かせたのだろう。
ペンダントは、手元にあってどれだか分からない。
俺は重くなった瞼を正直に閉じた。
❂
「ぐわぁっ!」「何だっ……こいつ……」
そう言って私の前でくたばったり、後退りする人たちがいる。
「安心してください。ちょっと、聞き取られるだけですから」
そう言って私は、そいつらを縛り上げて、部屋まで空間魔法陣で移動した。
「ふぅ……それにしても、リストが多いわね……」
私が眺める『魔導師狩りリスト』みたいなやつに書かれている人の数は……多分だけど、五百人は優にいる。
私が返り血を落として部屋に戻ると、ノアは静かに寝息をたてていた。でも、その空間に邪魔が入ってきた。
どこからともなく湧いてくる魔導師。一目見るだけで、そうなのか、違うのか判別がつく。神様の御加護かな……面倒事を私にやらすのを正当化させる悪知恵……
いやいや。ちゃんと守るためだから。うん。履き違えちゃ駄目、駄目。
そんな事を考えていた瞬間、ノアの首に刃を当てかけたから、飛ばした。
「私の大切な人を傷つけるなんて、許さないから」
次の日の朝。徹夜一日目。
朝一番に来る人に昨日のやつらを押し付けて、剣を見学している。
喋らないし、何も伝わってこないから、よく分からない。いつも同じ。
でも、何かあった時は光って教えてくれる。
「リナ、おはよう」
そう言っていつの間にか起きていたノアが体を起こした。
「おはよう。準備ができたらここを出て……少し、魔導師狩りをするわ」
「ま、魔導師狩り……?」
想像通りの反応を見せてくれたので、取り敢えず、一から説明した。
「……となると……え? 異世界行くのか?」
「うぅん。違う。ここにいるそのターゲットを潰していきながら帰るの。途中にある治安の悪い街とかにもワザと寄ってからね」
「寄り道しながら、帰るって事でいいのか?」
「うん。そーゆー事」
それから私たちは、宿屋を出て、森にいる魔導師たちを
コメント
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うわあ……第63話、読み終わりました。冒頭のお母さんの「忌み子はいらないわ」で胸がギュッと締め付けられました……ノアくんの苦しみがこちらまで痛くて。リナさんの「私の大切な人を傷つけるなんて、許さないから」がすごく沁みました。あの剣や呪いの仕掛けも、まだまだ謎がいっぱいで続きが気になります!