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【車酔い】
kunひま
春。今日はkunさんとオフで会う日
俺は流石に今日は遅刻はしない…そう誓って、朝早く起きた。
現在の時刻は7時半、待ち合わせ時間は13時なので余裕はある。
「あー、」
ため息を吐いて、時間になるまで編集をする。
ずっとサボってたせいか、多くの動画が溜まっている…が、そんなのは関係ない。
終わりよければすべてよし…っていう感じで、今日も進める。
11時
この電車を降りればすぐ待ち合わせ場所はそこ。
張り切りすぎて早く来た…ってことは置いておこう。
俺は電車の中で外を見つめていた。
「あ、そういや、kunさんどこ行くって言ってたっけな」
ふと、思った。
待ち合わせ場所に着いてもしばらくの間は車で移動するだろう。
12時
待ち合わせ時間には間に合った…が、もうkunさんは来ていた。
俺は慌てて駆け寄り、風の強い中kunさんの元へ向かった。
「「おう、ひまじん。」」
「「早かったな」」
お馴染みの声が聞こえて、ほっとした。
何にほっとしたのかは分からないが…
「kunさん、早いっすよ…」
「「そう?ひまじんも早いけどな」」
いつものように会話を交わした。
この時間がどれほど楽しい時間なのか…
「「あ、俺ここ行きたいんだよね」」
「「俺運転するから行っていい?」」
「全然いいっすよ、むしろ行きましょ」
俺らは車に乗り込んだ。
もちろん、俺の車ではなくkunさんの車で。
春の風は少し落ち着くような感覚がして、いつもより時間が長く感じた。
と、いう平和の時間もすぐに終わった。
(吐き気してきた…)
朝から電車に揺られて、しかも今は車にいる。当たり前だろう。
だが、楽しそうに鼻歌を歌っているkunさんにはそんなことは言えない…言いたくもない。
(目的地までまだあるな…)
まだ数十kmほど先で、まだまだ時間はかかる。だが、心配をかける訳にもいかない。
「「ひまじん?どうした?」」
俺が考えてる間にkunさんは話しかけてくれてたらしい。
俺は咄嗟にこう答えた。
「いや、なんでもないっすよ」
そう、言うしか…無かった。
「「そうか?顔色悪いぞ?」」
「「どっかコンビニでも寄るか?」」
kunさんの優しさに心がぎゅっとした。
だからこそ、心配はかけられなかった…
「大丈夫ですって…」
そう言った瞬間の事だった。
突然、強い吐き気が襲ってきて、口を抑えてなければすぐに吐きそうなほど。
「…ッ」
目から涙が溢れる程に強い吐き気。
手が震えるほどに強く抑えた口は、kunさんにとっては不思議としか思えないだろう…。
「「ひまじん?!」」
kunさんは、俺の異変をすぐに理解したのか、近くのコンビニで車を止める。
そして、俺の座席付近に近寄って、背中をさすってくれた。
「…うぇ、ッ」
「「大丈夫…大丈夫だぞ」」
「「辛かったよな、ごめんな」」
どうしてkunさんが謝ってるのかが俺には理解ができなかった。
手からは少しずつ溢れてきて、視界もぐわん、ぐわんと揺れている。
びちゃびちゃ…と、吐き出したものが落ちる音が聞こえる。
俺は、吐き気が無くなると、kunさんの胸の中で泣いた。
「「大丈夫、大丈夫だよ」」
「「処理は俺がしとくから。」」
「kunさ…ごめんなさッ」
「「謝らないで、俺が休憩もなしにここまで連れてきたのが悪いから。」」
kunさんの胸の中は暖かくて、暖かくて、どこか、懐かしい感じがした。
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