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夜。
紅音は血の匂いの中に立っていた。
鬼の首が地面に転がり、やがて灰になっていく。そして、消える。
その灰はなぜか懐かしい匂いがした。
紅音 「…山の中で…潮の匂い?
私、頭おかしくなったのか?」
指先で風を感じる。
冷たい夜風の中に、確かに波の音は混ざっていた…
☀鬼殺隊本部(紅音は甲です)
翌朝、紅音はぼんやりとした顔で廊下を歩いていた。同期の伊作があきれたように言う。
伊作 「紅音、寝てないだろ?顔死んでるぞ」
紅音 「寝てるよ。でもなんか寝てない気もする」
伊作 「は?お前…哲学者になった?」
紅音 「最近ね…知らない景色がずーっと出て くるの。海の上で、誰かが 紅音! って 私を呼ぶの。」
伊作 「ホラー?」
紅音 「いや、めっちゃテンション高い。」
伊作 「お前が一番嫌いなタイプやな」
紅音 「うん。たぶん。」
しかし、紅音は感じていた。
どこか「懐かしい」と。
🌙夜.紅音の部屋
任務帰りの疲労で、畳の上に倒れ込む。
手首に小さな切り傷。
覚えのない傷が、じんわり痛む。
紅音 「また…夢を見る気がする…」
瞼が落ちる。
静寂
波の音。
ーーそして、まぶしい光ーー
🌊夢の中?
紅音画目を開けると、そこは広い海の上だった。足元には揺れる木の甲板。
空は青く、空気は甘い。
紅音 「ここ…どこ?夢で出てきた…あの?」
? 「うわっ!誰?まさか…敵?」
後ろから突然、明るい声。
? 「みんなーー!ヤバいヤツー!」
紅音 (うわ、なんかやばい状況じゃん
取り敢えず、自己紹介を…)
? 「まあいっか!今日も全力前進だー!」
振り返ると、金髪を後ろで高く結んだ少女がロープを引っ張っていた。
? 「で、誰?新人?私もなの!」
紅音 「私は…鬼殺隊の紅音だけど…」
? 「え?鬼殺隊?鬼?なに?
ルナーリア族とかのアレ?」
紅音 「なにそれ…」
? 「鬼を…滅する?キサツ…なんて?」
紅音 「鬼殺隊よ!…政府非公認だけど」
モブ 「おーい!ルナ?誰と話してる?
速く出港の準備をしろー!」
ルナ 「だって、知らない人が…」
モブ 「ルナ?何言ってるんだ?誰もいない
じゃないか?」
ルナ 「え?」
紅音 「てか、ここ…どこ?」
(とてもではないが、話になってない2人)
ルナ 「怖い顔しないで、私は
ルナだよ!キャプテン・ルナ!」
紅音 「キャプテン…?外国?」
ルナ 「あなた…えっと、あかねだっけ?
なんか他に人には見えないらしいから…。とりあえず、私の部屋に!」
ルナの部屋
紅音 「これは…夢?」
ルナ 「夢にしてはーめっちゃリアル!
テンション上がるわー!」
紅音 「確かに…テンション上がってきた!」
風が吹く。
紅音の手首の切り傷が、光る。
ルナの胸も同じように光った。
紅音 「今…光った?」
ルナ 「あー、これ?昨日、寝る前に出来た
謎のタトゥー。」
紅音 「あ!私も!昨日できたの!」
ルナ 「でも…ちょっと痛い。」
紅音 「夢なのに?」
ルナ 「え?」
沈黙
波の音
紅音 「……あなた、夢の妖精?」
ルナ 「あなたこそ…」
?? 「接続、確認。状況、やや不安定。
進行度、2%?」
紅音とルナの姿が、光に包まれていく。
ルナ 「え?!待ってー!まだ、なんにもー!」
紅音 「……夢、終わったみたい?」
翌朝2☀
紅音が目を覚ますと、いつもの世界。
しかし、枕もとには貝殻が…
紅音 「どう考えても夢じゃない…」