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「そうだったのか…」

私は先生の言葉に納得した。



その後、白河先生がいままでの事を話してくれた。

研究授業や部活動の顧問、成績表作成に研修など疲れる作業が連続で続いていたこと。

多分それが原因だろう。


「凛さん…ごめんね。何も相談せずに、何も言えなくて…」と白河先生は言ってくれた。

私は「うん。ありがとう。気遣ってくれて」と優しく返した。


ふと先生の顔を見ると、優しい顔で私に目を合わせ頷いてくれた。

本当、白河先生って優しくて強がりだな…。




それから、白河先生が学校へ電話して話すと、「休んだ後は少しずつ復活するために、まずは短時間勤務をしてもらおうかな」と提案されており、白河先生は「はい。それが良いと思ってます」と答えていた。

ちなみに休む期間は今のところ三学期始業式前までらしい。


「とりあえず…おやつでも食べる?」と白河先生が聞いてきたので「うん!食べたい!」と答えた。

先生は冷蔵庫を開け、何やらガサゴソとしている。

「これでいい?」と言う白河先生の手には、カップのフルーツゼリーが2つあった。

『まぁ…夏だし、良いね!』と思った私は「うん、良いよ!」と返した。

テーブルにゼリーを持ってくる先生の顔は少しだけにっこりしていた。


「これ子どもの頃から好きなんだよね」と先生は嬉しそうに言いながらゼリーの蓋を開けている。

「へぇ…そうなんだ!私もこれ好きです」

「おっ!好み合うじゃん!」


私も蓋を開け、ゼリーを口の中へ滑り込ませる。

今の白河先生の心のようなぷるぷるのゼリーに、みかんやパイナップル、白桃などのフルーツが絶妙に混じってとても美味しかった。

こんなに美味しいなら、私たちが好きになるのも当たり前だな。


そして夜ご飯には、一緒に具材を包みながら餃子を作った。

しかし、私たちの適当な具材の分量のおかげで餃子の皮は3枚も余り、その割に具材はほんの僅かしか余らなかった。

私は先生へ「どうする?これ…。」と言う。

「え〜?…あっ…そうだ」と先生は答え、餃子の皮を3枚全て繋げ、その中に余っていた具材を詰め込み、上をくりくりとねじり巻いた。


「ほら!僕の特製、うまうま肉まんだよ!」と白河先生は笑いながら言う。

トレイに乗せてある先生の作った「肉まんらしきもの」は、確かに「肉まん」の形をしていた。

私はそれを見た瞬間に、何かが弾けたかのようにいきなり笑いが止まらなくなった。


「えっ…?なんでそんなに笑うの…?」と先生はとても不思議そうな顔で見てくるので、更にそれが笑いを呼んでしまった。



「いただきます!」と私たちの声が同時に被さり、2人で笑いあった。

先生の心から笑う笑顔を久しぶりに見れて、私はとても嬉しくなった。


やはり、私の思い込みもあるだろうが、白河先生の笑顔は世界一美しく輝いて見える。

垂れた眉毛に、ほんの僅かな笑窪、目の横にあるしわ。とにかく優しい性格が顔にとても表れている。 一言でまとめると、

「素敵。」



夜ご飯を食べた後は、お風呂に入り、上がったらゆったりと過ごした。

私自身が調べたことだが、毎日こういう時間を取ることこそが、リラックス効果を与えてくれるらしい。

白河先生はミルクコーヒー、私はいちご牛乳を飲んだ。

そして、おつまみに米粉パンを1つずつ。


米粉パンは、パンの種類の中でも私が一番大好きなパンで、買い物に行くたびに先生に頼んで、家に常備している。


「やっぱり凛さんの好きな物って、僕が食べてもいつでも美味しいね!」と先生は笑顔で私を見つめながら言ってきた。

「でしょ!」と私も笑顔と共に返した。

食べた後は寝室へ行き、常夜灯にし、眠った。


私は夢を見ていた。

白河先生と共に広い草原のような場所に居る。


遠くには山々が見えていて、土砂降りの雨が降っており、私達2人は相合い傘をしてぼーっと突っ立っている。


そしたら一気に雨が止み、太陽が私達を照らし出した。

「止んだね。雨。」

「だね。凛さん。」と言いながら、先生が傘を閉じる。


私はふと空を見上げると、なんと空には大きな虹が架かっていた。

色も7色はっきり分かる程に濃かった。



という所で目が覚めてしまった。






私は早速白河先生へ夢で見たことを話す。


「なんかすごい良いことが起きそうだね。僕も楽しみになってきたよ!」と言ってくれた。

私は、「私も朝起きた瞬間にそう思ったよ!なんか起こりそうって…いや、こりゃ起こるなってね」と話す。

「さすが!凛さん!凄い自信だね!」

「うん!先生のおかげでここまで自信付いたんだよ。私に」


確かに白河先生のおかげで私はここまで成長することが出来たのだろうと思う。

本当に白河先生は本当の私の保護者のようだ。

私の本当の両親に白河先生の優しさを見てもらいたい。


それからは、今日はショッピングへ出かけた。

「好きな物を買っても良いよ!」と白河先生は言ってきたので、私はワンピースを一着とバックを買った。








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