テラーノベル
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【本エピソードには以下の要素を含みます】
・CP表現(沖縄×北海道)
・方言要素
・戦争を彷彿とさせる話
沖縄さんのセリフは()の中を読んだ方がいいです
それでもよろしい方はお進み下さい🏵
【鹿児島視点】
最近、新しい仲間が加わった
いやまあ、戻ってきたという方が正しい表現か
30年近くアメリカのやつのとこにいたからか、まだ慣れていない様子だった
ま、そりゃあ当然か
「どげんな、?そろそろ慣れてきたか?」
「…」
明るくて元気な奴って聞いてたんだが…
到底そうとは思えない
30年も前だから詳しくは覚えてないが
昔のこいつがこんなに無口だった記憶もない
まあ、そりゃそうか
この30年で、おい達は劇的な成長をした
ただ、こいつは成長の時を共に過ごしていない
こいつ、いや…“沖縄”だけが30年前に取り残されているようなものだ
もしかしたら孤独を感じてるのかもな
「…わいも気ん毒じゃな」
「…なにが」
久しぶりに彼の声を聞く
返事が帰ってくると思ってもなかったため、少し驚いた
ただその声は低く、冷たく、感情なんて一切ないようだった
「んにゃ、なんかわいが孤独を感じちょっごつ思えやんせ」
「なんか興味あっ奴とかおらんとな?」
一応ダメ元で聞いてみる
どうせ“いない”だとか“しらない”だとか言われるだけだ
しかし帰ってきた答えは予想を大きく外れた
沖縄は少し黙って考え込んだ
「…」
「…一応、いる」
「えほんとかじゃ!?だいじゃだいやっど!?」
想定外の答えにテンションがあがる
気分は恋バナをする中学生だった
そもそも沖縄が興味ある奴は誰なのか、
福岡、?
東京、?
大阪、?
考えるだけで楽しくなる
しかし、その答えも予想を大きく外れた
「…北海道ってやつ」
「ほ、北海道!?」
“北海道”
最北端に位置する日本一大きい都道府県
位置的にもそこまで関わったことがない奴だった。
それ故、おいもどんなやつかよく知らない。
確か福岡から優しいとか背がデカイとかは聞いたことある
ただそれぐらいしか情報源がない
こいつが普段なにを考えてるか分からないし
変な発言して怒らせでもしたらどうしよう、
会わせるのはめちゃめちゃ不安だった。
「え、えーとな……ちょっと難しかっちゅうか…」
やんわり断ってみる
沖縄はしばらく黙ってからこう言った
「…そ、ケチやっさ」
「あ?」
なんとか殴りかかりそうになるも抑え込む
落ち着いた言い方なのが余計に腹が立つ
こっちだって好きでやってるわけじゃねーっての
「ッ…ああもう分かった分かった!会わせてやっど!!お望み通りな!!」
怒りのままに叫ぶ
その瞬間、少し沖縄の顔が明るくなった
「…ほんと、?」
「嗚呼、期待してろ」
“言ってしまった”と思いつつも1度冷静になる
んまあ、メリットが無いわけじゃない
おいが福岡にこの仕事を任せられてる以上、必然的にこいつと過ごす時間も増える
なんの会話も生まれず、同じ空間を過ごすのは少々気まずかった
これで沖縄の無口が解消するなら、おいも本望だ
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【北海道視点】
「え、?誰か来るの?」
そう言われ少し驚く
僕に会いに来る奴なんて、滅多に現れないからだ
しかも南の方からなんて尚更
僕自身も少し前から興味があったので、嫌な訳ではなかった
福岡くんや広島くんから南の奴らについて色々聞いていたけど
実際に会うのは初めてだ
期待で胸を膨らませる
「ねーねー、誰なの誰なの?」
「最近新すく増えだ奴いるびょん?」
「そいづだどよ」
僕の期待が不安に変わる
確かアメリカくんのところにしばらくいたはず
そいつのことに関しては、福岡くんからも広島くんからも聞いた事のない話だ。
もしも日本語が通じなかったから…?
いきなり襲いかかってきたら…?
僕が触れちゃダメなとこに触れちゃったら…?
悪い予感しかしなかった
恐怖で身体が震える
そんな僕を心配してくれたのか、青森くんが優しく声をかけてくれた
「大丈夫が…?北海道」
「あ、あおもりくん…(泣)」
「日本語通じなかったらどうしよう…(泣)」
「襲いかかってきたらどうしよお…(泣)」
「怒らせちゃったらどうしよぉ…(泣)」
不安で押しつぶされそうな北海道を見て、ため息をつく青森、
青森は呆れたように言った
「そったビビるなっての」
「おめでっけんだすさ、ドスッど構えどげよ、!」
「それが出来たら苦労しないの…」
でもせっかく僕に会いたいって言ってくれてるし
断るのも相手を悲しませちゃう
そうなるくらいなら…会ってみてもいいかも
「…わかった、僕そいつと会ってみるよ」
「ん、ほんにいんだな?」
「うん、」
でも、僕ももう子供じゃないんだ
1歩踏み出さないと、!
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【北海道視点】
遂に今日は南の奴と会う日。
まだ少し手が震える。
それでも期待する気持ちもあった
僕に会ってみたいなんて言ってくれる奴、初めて見たから
それだけで嬉しかった
期待、不安、色んな気持ちがぐちゃぐちゃに混じる
そんな不思議な感情で、彼の到着を待った。
コンコン
「…!」
扉を叩く音がした、
遂に来た!と足早に玄関まで歩く。
いざ扉の前に立つ、
いつもと同じ扉なはずなのに、少し明るく見えた。
なんだかソワソワするな
どんな奴なんだろ
そんなことを考えながらドアノブに手をかける
ガチャリ
扉をゆっくりと開く
そこには、自分よりもずっと小さく、不思議な雰囲気の奴がいた。
その後ろには、保護者のような佇まいの鹿児島くんが不安そうに立っていた。
『不安なのは僕だけじゃないんだ、…!』
そう思うと不思議と心に余裕ができた。
「さ、あがって、!」
にっこりと微笑み、二人を家へと導く、
不思議な尋ね人は、僕の手をずっと握っている、
自分に弟が出来たような感覚になり、少し優しい気持ちになった、
リビングへ案内し、適当な場所に座らせる、
彼からしたら、十分なサイズであろう
「それじゃ北海道、後はよろしゅうね」
鹿児島くんがそういい部屋を後にする
いざ二人きりになると、なんだか緊張する
会ったらどんな話をするか、
事前に考えてたはずなのに、頭が真っ白になる
ただただ静かな、気まずい空気が流れる
向こうは黙ったままだ
『とりあえずなにか話さないと、』
その考えが僕を支配する
勇気を振り絞り、なんとか口を開く
「あ、あの…!僕北海道って言うんだけど、!」
「き、君の名前は…?」
「…」
彼は黙り込んだまま、何も言わなかった
『言葉選びを間違えたか』
緊張が焦りへと変わるのがわかった
なんとかいい方向に進めようと、思いついたことを話してみることにした
「え、えーと…」
「その…うで…大丈夫……?」
「…」
彼の表情が険しくなる、
しまった、と思ったときにはもう遅かった
サイズにあわない一人用ソファから、彼はのそりと立ち上がる
その目はこちらを見ていた
目があう
恐怖で体が動かない
喋ろうにも声がうまく出ない
ぎゅっと目を瞑る
次の瞬間、
「…っやー、」(…お前)
「わーゆみなれ!!」(俺の嫁になれ!!)
「ぇ…?」
「ええええええ!?」
思いもよらない提案に驚きを隠せない、
な、なんで急にプロポーズ?
怒ってたんじゃないの?
起こった出来事を整理し、なんとか冷静さを保とうとする、
「ねー!ちちょーんぬー!?」
(ねー!聞いてるのー!?)
返事がなく、不満だったのか僕の肩を大きく揺する
小さな見た目からは想像できないほどの力だった
「う、うん!聞いてるって!」
頭がクラクラする
なんとか説得し、手を離してもらつう
まだ少し、視界が歪む
頭をブルブルっと震わせ、ようやく視界の歪みが元に戻った、
「わん、うちなー!」(俺、沖縄!)
「っやー北海道っんじ言いるんだる!!ゆたしくな!!」
(お前北海道って言うんだろ!!よろしくな!!)
「ああうん、!よろしく!」
目を合わせ、改めて挨拶を交わす、
先程の様子から一変し、明るく陽気になり少し困惑したが、悪いやつではなさそうだ。
ふう…っと安心した瞬間、急に距離を詰めてきた。
「うわあ!?ちょ、近い近い!?」
「でぃ!!なてぃくぃーんぬかゆ!」(で!!なってくれんのかよ!?)
「わーゆみんかい!!」(俺の嫁に!!)
「い、一旦離れて!」
何とか引き剥がそうとするが、無理にでもしがみついてくる。
あまり人に抱きつかれることなんてなかったから、少し恥ずかしく感じた。
でも、嫌ではなかった。
僕にこんなに積極的に話しかけてくれる、初めてだったから…
「え、えっとね…」
「結婚は無理だから…お友達からでも…いいかな?」
恐る恐る顔をあげ、沖縄くんの反応を伺う、
嫌じゃないかな…?
その心配は不要だった。
顔がぱあっと明るくなるのがわかった
にっこりと笑い、僕にぎゅっとしがみつく
「わああああい!ゆたしくやー!北海道!!」
「う、うん!よろしくね!沖縄くん!」
離そうとした
でもやっぱりやめた
ここまで嬉しそうにされたら、こっちまで嬉しくなっちゃう
子供のように笑う沖縄くんを、落ちないようにしっかりと抱きしめた。
「あとぅ未来ぬにーびちえーてぃやくとぅさ!」(あと未来の結婚相手だからさ!!)
「呼び捨てぃっしゆたしく!」(呼び捨てでよろしく!)
「わかった、!」
「…じゃあ、僕からのお願いなんだけどさ…」
「標準語で喋って…もらえる…?」
沖縄は少し考え込む
「んー、やだ!」
「えー!なんでよー!!!」
「なんとぅなくやー!」(なんとなくねー!)
「んもー!ほどいだなー!!」
笑い合うふたり、
初めてあったはずなのに、不思議と安心感を覚えた
これからも、こんな幸せが永遠に続きますように
その後、ほぼ毎日沖縄が家に凸りにくることを、北海道はまだ知らない
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コメント
4件
うん平和が1番… 沖縄さんマジの一目惚れしたんやね

微笑ましいんふふふ あっ口角が海に流されちゃった