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何度か南雲さんと食事するうちに、赤尾さんのこともわかってきた。2人は学生時代の友人らしく大きな任務をしている途中で赤尾さんが殺されたららしい。全部酔ってる南雲さんが1人で喋っているのを聞いてわかった。酔いが冷めるとまたいつもみたいにニコニコしている。

3回目の食事の時に私は自分が南雲さんに恋愛的感情を持っていることに気づいた。元々恋愛に疎かったが初めて自分の気持ちをはっきりと理解した。南雲さんはいつも貼り付けたような笑顔で私に喋りかけてくる。それが私を見ているのか赤尾さんと似ているところを見ているのかわからない。分かりたくもない。

今日で7か8回目の食事。今回こそ南雲さんに告白をするって決めた!人生初告白。

まさかその相手が殺し屋で胡散臭い人だとは自分でも想像がつかなかった。





「おっ居た居た!」

といつもの笑顔で南雲さんがこちらに近づく。

今日は映画を見たあとに夜景。まさに告白チャンス。振られたら関係そこまでだし、と私は案外振り切っていた。




「映画面白かったですね」

「うんうん、やっぱアクション映画って面白いよね〜」

後もうちょっとで夜景が見える場所に着く

緊張で南雲さんの会話が右から左へと流れて行く。



「綺麗な景色ですね〜」

「僕、君に話したいことがあるんだ」

え?もしかして南雲さんもそう思ってたの?

と考えながら私は南雲さんの次に言葉を待つ。

「僕と付き合ってくれませんか?」

はい!と言いたかった軒口が勝手に動き

「南雲さんが好きなの私?それとも赤尾さんと似てる私?」と聞いてしまった。

「え?」と小さな声を南雲さんが出す

私が聞いたくせに私が1番驚いで居た

焦って弁解しようとしても口が開かない

やばい、このままじゃ!!

「すみません、変なこと聞いてしまって

返事は考えさせてください」

頭で考えてることと口で言ってることが違う。

私はその場から走って行った。

後ろで呆然としてる南雲さんを置いて、アホくさいこと言った自分を殺したくなる勢いで家に走る。





息が切れて足が重くなって頃やっと止まった。

そうしてると前に複数の男性が居るのに気づいた。

「こいつであってるんだろうなぁ」

「間違え無いですよ。最近オーダーの南雲と親密な関係の女」

「早く連れて行きましょ〜ここ寒いっす」

“連れて行きましょ”の一言で嫌な予感がした。

次の瞬間目の前に居た男性が殴りかかって来た

あっ、まただ。

ストーカーに銃を向けられ撃たれた時も同じように時が遅くなる。

私の顔を目掛けてくる彼の拳を避ける。

「は?何避けてんだよ!」と今度は刃物を刺そうとしたがまた時の流れが遅くなったように彼の動きも遅くなる。ほんとにナメクジが動くのをスローで見てる感じ。それも私が避けるといつも通りの速さになる。

「お前!全員でかかるぞ」

今度は全員で私に銃を向け発砲。またスローになる。今度は完全に止まってるようにも見えるがほんの少しだけ動いてるのがわかった。

私に飛んでくる銃弾を避けると元通りの速さに戻る。お互いがお互いの撃った弾丸が当たってしまった。そのタイミングで

「南雲さん?!いつから居たんですか?」

「僕は君が襲われ始めた時から居たよ、それより告白の返事をくれない?」

「南雲さん…あなたの仕事は人を殺すこと私の仕事は人を救うことです。私があなたと付き合うと今日みたいに沢山の方が襲ってくるかもしれません。 」

そう私が言うと南雲さんは悲しそうな顔で歩き始めようとしていた。私は背を向けている南雲さんの手を掴み

「それでも私はあなたのことが好きなんです

あなたは私を赤尾さんとして見てても構いません」と言い終えた後に恥ずかしさが頬に熱が伝わってるのがわかった。ゆっくりと南雲さんがこちらを振り向く。

「ほんとに僕でいいの…?」

今まで見たこともない南雲さんの顔を見れて私は笑ってしまった。

「ぷはっ笑」

「え?笑ってるってことは本当に僕でいいんだよね?」

「はい!」

「やった!これからは僕が未来のこと守るからずっと一緒に居てね」

と嬉しさのあまり声が出なかったのでうんうんと頷くことしか出来なかった。

「これで正式カレカノだから未来は僕タメで話してね!あとは〜…さん付けもやめてね!」

「わかった、南雲くん」

「くんもさんも変わらないよ〜」

「でもタメ語だよ?」

2人で話してると後ろで人の声が聞こえた。

「お、お前ら…殺してやる!」

「だってよ南雲くん」

「はいはい、未来は目瞑っててね」

はーい、と答えると南雲くんは一瞬で彼を殺した。










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