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七月上旬。放課後。
オレは帰ろうと2-Aの教室から、生徒で混み合う廊下へと出る。まだ七月になったばかりというのに暑いなあ。
そんなことを考えながら、歩いていると
「あ、いたいた。」
人混みの中に一つ、飛び出した、紫色の頭を見つける。
あいつは神代類。オレと同じ高校二年で一緒にショーをしている仲間だ。そして最近気づいたことがある。それは、オレが類のことを好きかもしれないということだ。
だがオレは人を好きになったことが無い。だから、類は男だし、この感情はただ、友達としての好きの延長かもしれない。
とにかく今日は一緒に帰る予定だったはず。
とりあえず、オレは類に声をかけようとすると隣にいる女子がオレの目に映る。ん?なんかいい感じじゃないか⁉
聞き耳を立てて二人の会話を聞いていると、女子がこんなことを言い始めた、
「神代くん、今日一緒に帰ろうよ~♡」
なんだよおおお。語尾にハートなんかつけやがって。あの女子、類のこと好きなんじゃないか⁉ちょっと待て、類は今日俺と帰る予定だぞ⁉
「あ、、き、今日は、司君と帰る約束が、、」「そんな約束いいから私と帰ろ!!」
ああ、類が困ってるじゃないか。てか俺との約束、“そんな約束”とか言ったな⁉絶対許さん!!!!怒りと共に何かモヤモヤとした感情が胸の奥で居座っているがそんなもの今は無視して、二人の方へズカズカと大きな足音を出しながら向かう。
「ちょっと待ったああああああああ!」
「ひいい、天馬君⁉」
ひいいとはなんだ、ひいいとは。
「つ、司君⁉」
「類は今日、オレと二人で帰るんだからな!!類、行くぞ」類の腕を引っ張る。
「か、神代くん、ちょっとまっt」「じゃあな!!!!」(くそデカボイス)
廊下の人混みを駆け足で抜けて、靴箱へ急ぐ。あれ、オレ今なんでこんなにイライラしてるんだ?
~帰り道~
ったく、何だったんだ?あの女子。
「司君」
どういうつもりで類と、、、
「おーい司君?」
もしかして告白とか、、、⁉
「司君ってば!!」
「ん? ああ、済まない!少し考え事を。」
「司君が考え事なんて、珍しいねえ。」
なんだと。オレだって考え事くらいするぞ。そう心の中で類に小言を言っていると、
「今日の君、少し変じゃないかい?」
「ん?変って言ったって 、いつもと変わらずかっこいいオレだが。」
「んもう!さっきのあれだよ!」
「さっきのあれ、、?」
「凄い怒ってたから。もしかして、待たせてしまったかい?今日はそんなに急ぐ用事なかったと思うけど。」
ああ、あれのことか。
「うーん、あれはオレもよく分からないんだ。」
「よく分からないって?」
「類とあの女子が話してて、女子がオレとの約束を“そんな約束“って言ったのに腹が立ったんだと思うんだが、、」
「だが?」
「ああ。怒りと一緒になんだかモヤモヤっとしたものが胸の中を、、、」
類がなにか気づいたような顔をして、それから、こっちを見つめてきた。こ、こやつ無駄に顔がいいッ。
「、、、司君。それって、、、“ 嫉 妬 “ じゃないかい?」
「、、、嫉妬?」
、、、嫉妬⁉⁉⁉な、ななな、なんだって⁉し、しっと?しっととは何だ?嫉妬か。ええええ⁉このオレが嫉妬⁉
次回「告白。」デュ○ルスタンバイ!!