テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
瑠璃マリコ
3,757
#ファンタジー
芙月みひろ
210
#ハッピーエンド
Tubling
291
#極道
鷹槻れん/鷹槻うなの

19,669
「グレッグ様、お待たせしてすみません。」
グレッグ様の元へ小走りで向かい、軽く頭を下げる。
「いや、待ってないから大丈夫だ。気に入ったものは見つかったか?」
「はい。」
笑顔で答える私を見て、グレッグ様も満足そうに微笑みながら立ち上がる。
「そうか、それは良かった。では次は……、スイーツ系の店だったか。決めた店があるのか?」
「いえ、特にどのお店とは決めてなくて。あの辺りのお店を見ながら考えてもいいですか?」
気になる方向を手で指し示す。
「あぁ。では行こうか、荷物を持とう。」
「いえ。これは、大丈夫です! お気持ちは、ありがとうございます。」
さりげなく、私の荷物を持とうとしてくれるグレッグ様は、本当に優しい。 持っていただくのは申し訳ないし、それに、この中には手袋が入っている。自分で持っていたい。受け取っていただけるかな……。
スイーツ系のお店が立ち並ぶ通りは、人も多くて賑わっていた。順番待ちで並んでいる人も多かった。
「わぁ。甘い匂いがしますね!こんなにお店があると、悩んでしまいます。」
「そうだな。」
「行列ができていますね。うーん、あまり人が並んでない所はないでしょうか?」
「人が多いお店の方が、人気があるのではないか?」
「えぇ。そうなのでしょうけど……。」
グレッグ様を長時間付き合わせてしまうのは、気が引ける。
「ソフィア? 何か気になることでもあるのか?」
「グレッグ様は……、お時間は大丈夫ですか?あの……。」
「ハハ、ソフィア、私を気遣ってくれたのか? 何を悩んでいるのかと思えば、そんなことか。 前にも言ったと思うが、今日は休みだ。それに、ソフィアに付き合うと言ったのは私の方だ。いや、ソフィアを悩ませてしまったのは、私の落ち度だな。すまない。さぁ、行こう。」
「⁉︎」
グレッグ様は、私の手を取り歩き出す。
大きくて温かい。でも、これって、これって、手を繋いでる?
誰かに見られたら、誤解を招くのは?それに、私も……、勘違いしてしまいそうになる。
これでは、まるで、デートみたい。
突然の出来事に戸惑いつつ、自分の手とグレッグ様の顔を交互に見る。
「では、この店に並ぼう。」
動揺しているのは私だけで、グレッグ様は何事もなかったように言葉を続ける。
あぁ……、きっと、迷わないように手を取っただけなのね。他意はないのだわ。
「こ、ここですか?」
手を繋がれているのが気になって、声が裏返る。
「あぁ。」
一向に手を離してもえる気配がなく、どぎまぎしていると、グレッグ様が耳元に顔を寄せてくる。
ひゃ、ち、近いです、グレッグ様……。
心の声が騒がしく、落ち着かない。
「この辺りには、店が6軒ある。そして、この店に並んでいる人数の多さは3番目だ。だから、ちょうど真ん中だ。 ソフィアは、私を並ばせたくないようだし、私は別に構わないと思っている。だからお互いの意見を尊重した結果だ。」
耳がくすぐったくて、赤面しながら手で押さえる。
「えっ?人数をか、数えたのですか?」
「あぁ。」
なんでもないことのように、グレッグ様は即答する。
「いつの間に⁉︎ すごいです、グレッグ様!あ、あの、 ありがとうございます。」
いったいいつの間に、この人数を数えたのかしら? 疑問が湧いたけど、頭が回らない。どうしても、意識が手にいってしまう。
なんとか意識を他に向けようと、話しかける。 お互いにどんな食べ物が好きか、とか、他愛もない話をしていた。
グレッグ様も甘いものが好きで、好みが似ていた。 話していたので、待ち時間はあまり長く感じなかった。
私達が並んだお店は、チーズケーキの専門店だった。様々なチーズケーキが並んでいた。 ルイーザさん達へお土産を買いたかったので、自分の分も含めて、3つ購入することにした。グレッグ様も購入されていた。
「ソフィア、喉が渇いてないか?飲み物を買ってくる。少しあそこのベンチで待っていてくれ。」
「飲み物なら、私が買ってきます。」
「いや、私が行く方が早い。ソフィアは休んでいてくれ。」
「でも……、分かりました。よろしくお願いします。」
グレッグ様のケーキを預かると、ベンチへと向かった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!