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同棲してからというもの、ひとつだけ確信していることがあった。
仁人って、完全に猫だよな?
いつしかのレコメンで犬にしか見えない!みたいなこと言ってる人いたけど、猫だと思うんだよな〜、俺は。
本人には絶っっっっ対言わないけど。
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ある日の夜。仕事が終わって、2人でリビングでダラダラしている時間。
勇斗はソファに座って某見逃し配信サイトで自分たちの冠番組視聴、仁人はその横でスマホで漫画読んでる。
なんとなく仁人のほっぺを指でつんって突くと、
「やめろ」
って、手の甲でぺしって軽く叩いてくる。
その瞬間、勇斗の脳は猫同士で喧嘩してるときにかます猫パンチにしか見えなくなってきた。
いや、猫パンチやん。叩く力よわ!かわちい〜
なんでかわからないけど、じわじわ笑いが込み上げてくる。
すると仁人が怪訝そうに顔上げる。
「……おまえ何笑ってんの?」
「いや?別に?」
「気持ち悪……」
仁人はまた漫画に戻るんだけど、勇斗の中では猫説がさらに濃厚になってきていた。
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別の日。
撮影も撮影で疲れて帰宅し、風呂も済ませて、夜のリラックスタイム。
勇斗がソファに座ってテレビを見てると、仁人が当たり前みたいに勇斗の隣に座ってくる。
それだけで勇斗はちょっと嬉しい。
しかもなんか、頭をちょこんと勇斗の肩あたりに寄せてくる。
「さのさーん」
「ん?」
「撫でて」
「は?」
「は?!お前恋人が甘えてんのにそんな反応すんの?!ひっでーかれし〜」
ぷんぷんしながらも頭はちゃっかり勇斗に寄せてきてる。
勇斗は仕方なしだぞ、みたいな顔で、ゆっくり仁人の頭を撫でる。
「はぁ〜〜仁人さ、まじ可愛い。もう、お前可愛すぎ。かわいい〜〜じんと」
完全に甘やかしモードでわしゃわしゃ頭撫でた瞬間、
「なにっ!?!?!?ちょ、な、何急に!!気持ち悪い!!」
言葉では拒否してくるくせに、頬は真っ赤で、目は泳いでて、
ソファから逃げようとするけど、
勇斗が抱きつこうとすると可愛いお餅みたいな真っ白な手で押し返してくる。
「いやいや押すな押すな!抱きしめさせろ!」
「やだ!急に甘やかされると無理!!キモい!!」
って言いながら、だんだん押し返している手の力が弱くなってきている。
結局、勇斗が無理やり抱きしめると、
仁人は「……あーもう、ばか……」って小声で漏らして、
そのまま胸に顔を埋めてふにゃっと力抜く。
ツンデレ猫さん、結局甘えたいのバレバレ。
勇斗は笑って、ぎゅっと抱きしめ直した。
「はい、かわいいじんと、かわいいね〜〜」
「うるさいうるさいうるさい!!」