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「うーんどうしよう」
私はヒイラ。幼稚園から小学校低学年までの間、子役をしていたことがある。でも小学4年生のときに、きっぱりとやめてしまった。けれども今、幼馴染で有名俳優のサクに、ドラマに出ないかと誘われているのだ。
「ね〜え 一緒に出ようよ〜ヒイラしかこの役は演じられないんだよ〜」
こういったふうにめちゃくちゃ誘われているのだ。でも、私はもう二度と、芸能界には戻らない。何があっても・・・
〜〜学校〜〜
「バーカ バーカ」
「ちょっとサク様に声をかけられたからって調子に乗るんじゃないわよ」
「昔は子役やってたっていつけど 今は何もできない いじくなしじゃん」
(あ~あなんでこんな事言われなきゃいけないんだろう。)
サクは学校での人気者で、サクとちょっと話そうとするものならサク様親衛隊と名乗る人たちから、こんなふうに言われる。子役をやめてなかったらこんな事にならなかったのかな・・・そういうことを考えるようになってきた。でも、私はもう戻らないんだから。
〜〜家〜〜
「ねえ〜一緒にドラマでようよ〜」
「私は遠慮しとくよ」
「ねえ〜出ようよ〜」
「出ないって言ってるじゃん!しつこい!もう二度と話しかけてこないで。」
あんなに言うつもり無かったのにこう言ってしまったのは、絶対に芸能界に戻りたくない理由があるからだ。それはサクも知っているはずだ。でもこんなにも誘ってくるのは、私が本当は芸能界に戻りたいと思っていると勘違いしているからだろう。でも、私は戻りたくない。あの人たちのためにも絶対に・・・
芸能界から離れることにしたのは小学校4年生の頃。お母さんもお父さんも大人気で芸能界で働いていた。でも、結婚を発表してから世間に叩かれることになったのだ。なぜならお母さんは美人だし、お父さんもイケメンだったからだ。二人には過激なファンもいて、個人情報を探られ二人で出かけたっきり返ってくることはなかった。
こんな事があってから芸能界から離れるようにしよう。そう誓ったのだ。