「勇斗〜24日って空いてる?」
 
 「あ〜その日友達と飲みだわ。ごめん、」
 
 「誰と?」
 
 「高校の友達」
 
 「何時くらいに帰ってくる?」
 
 「仁人ちょっとしつこい」
 
 「あ、うん、ごめん…楽しんでね」
 
 てっきりクリスマスイブやクリスマスは恋人同士でいるのが普通だと思っていた自分が恥ずかしい。その日のためにお酒とかケーキとか色々準備して勝手に舞い上がって。どうしようこれ。
 
悩みに悩んでいると時間が過ぎるのが早いのは当たり前で、もうクリスマスイブ当日。午前中いっぱいはレッスンで、その後も諸々仕事があり、帰ってきたのは15時を過ぎた頃。
 
 「じゃ仁人、俺もう出るから」
 
 「もう出るの?まだ16時だけど、」
 
 「うん、行ってきます」
 
 「行ってらっしゃい…」
 
 勇斗といれたのはものの数十分。いつもより早いことはわかっているが、特に何もすることがなく、買ったお酒を開けていった。
 
 「こんな寂しいクリスマスイブあっかよ…笑」
 
 呆気なさすぎてもはや笑えてくる。孤独感に浸かりながらゆっくりと宅飲みしていると、舜太から電話がかかってきた。
 
 「お、舜太も独りなのか?笑」
 
 そんなことを思いながら電話に出ると
 
 『仁ちゃん、勇ちゃんと一緒じゃないん?勇ちゃんのストーリーに柔ちゃんと飲んでるのあがってるけど…』
 
 『え、、まじ?』
 
 『まじ』
 
 酔いが覚め、急いで勇斗のストーリーを見た。するとそこには舜太が言っていたことそのままだった。
 
 『うわマジだわ…しかも柔太朗って笑』
 
 『知らなかったん?』
 
 『誰と飲むかは一応聞いたけど、高校の友達だって』
 
 (勇ちゃんまじかよ…)
 
 『いいの?せっかくのクリスマスイブなのに恋人といなくて』
 
 『いーのいーの。俺は独り寂しく宅飲みしてますよー』
 
 『え、じゃあ俺と飲まん?』
 
 『いいけど、俺もう何本か開けちゃってるよ』
 
 『俺が仁ちゃん家行くわ!』
 
 『あ、ほんと?ありがと』
 
『じゃ向かうね』
 
 そう言い電話を切った。電話の声からして、だいぶ酔ってるだろう。前のように酔い潰れていたらたまったもんじゃない。心配のあまり、急いで家を出て車を走らせた。
 
 数十分かけて仁人の家に行き、インターホンを押す。仁人の声も気配すらも感じない。もう一度押してみるが、やはり応答無し。まさかと思って一か八かドアに手をかけると、扉が開いた。
 
 「仁ちゃーん?入るよー?」
 
 「お、しゅんたきたか…」
 
 「仁ちゃん、鍵は閉めないとあかんよ?」
 
 「わりわり」
 
 テーブルの上のお酒の量をみて唖然とする。流石に仁人1人が飲むには多すぎる量だった。
 
 「仁ちゃん流石に飲みすぎ。どうしたん?」
舜太が来てくれると確信していたため、鍵はわざと開けておいた。
 (だって舜太はそういつやつだから。いつも周りを見て、人のために行動できる人。まぁ案の定注意されたけど…)
 舜太が来てくれて本当に有難い。というのも、俺は日頃の相談を舜太にしているから、お酒が回っている今の俺はきっと話し出したら止まらないだろう。それでもちゃんと最後まで聞いてくれたり、アドバイスしてくれる舜太だから助かっている。まぁ結局クリスマス過ごすのは恋人の勇斗ではなく舜太というね…
 
 
 「いやあのさ、勇斗の事なんだけど…」
 
 
 to be continued…
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