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GL 創作 , Rなし
葉月 『』かな 「」
start ⤵︎ ︎
放課後の廊下。
人気のなくなった校舎に、足音だけが響く。
『……かな、まだ帰らないの?』
「うん。葉月と一緒に帰ろうかなって思って」
その一言で、胸がきゅっとなる。
葉月は平静を装って、前を向いたまま言う。
『別に……待たなくてもいいのに』
「でも、待ちたいんだもん」
かなはそう言って、少し距離を詰める。
指先が、そっと触れた。
『……近い』
「やだ?」
『……やじゃない』
沈黙。
でも、空気はあたたかい。
「ねえ葉月」
「私さ、葉月が他の人と話してると、ちょっと嫌になる」
葉月は足を止めた。
『それ、ずるい……』
『私も、かなが誰かと笑ってるの見るの、嫌』
「え……」
『独り占めしたいって思う』
『かなのこと』
かなの顔が一気に赤くなる。
「それって……好きってこと?」
『……うん』
『かなが好き』
しばらくして、かなが小さく笑った。
「じゃあさ」
「手、つないで帰ろ?」
『……離さないでよ』
「離さない」
二人の影が、夕焼けの中でぴったり重なった。