九州を太平洋に沈め、莫大な被害をもたらした異能者「神風」。彼の圧倒的な力に恐れを抱いた政府は、緊急に神風を指名手配した。彼の行方を追うために、自衛隊や警察、そして政府内の特務機関が一斉に動き出す。
「神風は国家を脅かす存在だ。これ以上の破壊を許すわけにはいかない。」特務機関指揮官は冷静に指示を出し、捜索を開始する。
各地に彼の顔写真が掲示され、ニュースでも連日報道される。国民は恐怖と怒りを抱え、神風の捕縛を強く望んでいた。
「異能者、神風は国民全体に対する重大な脅威です。」総理大臣が記者会見で語る。「九州を消滅させた責任を追及するため、あらゆる手段を講じ、彼を逮捕することを優先します。」
その言葉を聞いた国民たちはさらに動揺を広げた。神風の力が国家を凌駕していると感じ始め、パニックが広がっていく。
一方、神風自身は政府の動きを冷静に見つめていた。彼は指名手配されることを予測していたが、驚きも恐れも感じていない。むしろ、自分の行動に対する迷いはなく、九州を沈めたことに対しても後悔はない。
「愚かだな…追い詰めることができると思っているのか?」神風は静かに微笑みながら、次の行動を計画する。
彼は自らの力を完全に解放する時が近いことを感じていた。それは、世界全体を震撼させるさらなる大破壊の前兆でもあった。
神風の行動に対し、最も強い怒りを抱いているのは、仲間であった透である。彼は神風が九州を沈め、無辜の人民を巻き込んだことに激しい憤りを感じていた。
「神風…お前はもう俺たちの知っていた奴じゃない!」透は拳を握りしめ、神風の行方を追う決意を固める。
かつての仲間が敵となり、今や倒すべき存在へと変わったことに、透は複雑な感情を抱いていた。しかし、彼の中に芽生えた憎しみは、もはや消すことができなかった。
指名手配された神風を捕らえるため、政府と異能者たちの行動はさらに加速していく。しかし、神風はその全てを冷徹に見下ろしながら、次なる一手を打つ準備を進めていた。
「俺を止められるものはいない。すべてを…終わらせてやる。」
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