神風による九州の壊滅的な破壊の余波は、政府内でも混乱を巻き起こしていた。九州の壊滅を防げなかった呪詛師特別部隊は、政府の厳しい追及を受けていた。
「呪詛師特別部隊は、これ以上の存在意義を認めない。」会議室に響く総理大臣の冷たい声が、部隊メンバーたちを貫く。
透、朱音、そして他の生き残りのメンバーたちは、事態の深刻さを理解しながらも、解雇命令の現実に直面していた。
透は拳を震わせ、言葉を噛みしめた。「俺たちは…できる限りのことをした!なのに…神風があんなことを…!」
「言い訳は不要だ、透。」上層部の冷徹な声が、透の怒りをさらに煽る。「お前たちが止められなかったのは事実だ。神風が逃げたことで、国民はこれまで以上に不安に陥っている。」
「ふざけるな!」透は声を上げた。「俺たちは命を賭けて戦ったんだ!誰も俺たちの努力を見ようとしないのか!」
「それが現実だ。結果が伴わなければ、努力は無意味だ。」
透は歯を食いしばり、言い返す言葉を探したが、どうにもならない状況が彼の怒りを飲み込んでいった。
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