テラーノベル
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「さゆりちゃん。」 祖母はさゆりに弁当を渡してきた。
「お気をつけてね。」
「うん、ありがとう。いってきます。」
さゆりは高校を卒業し、東京の大学へ進学する予定だ。
(寮生活楽しみだな。)
さゆりは東京での充実した日々を思い浮かべ自然と笑みがこぼれた。
11:13
少し早いがさゆりは祖母の作った弁当を開けた。ミニトマトにウインナー、ハンバーグ。
(小さいときからこればっかじゃん。)
味には慣れていたがどこか新鮮だった。
東京だ。
さゆりは着いて早々大きく深呼吸した。
(鼻がムズムズする… 花粉すごいなぁ。)
さゆりはそんなことあまり気にせずに知りもしない通りをまっすぐ歩み始めた。
(ここが寮か。)
さゆりの目の前にあったのは日当たりの悪い綺麗なアパートだった。
「あんた、向城大学の生徒さんかいな?」
大家さんらしき人が現れた。
(な、訛りがすごいなぁ。)
「あ、はい。そうです。今日入寮する山下さゆりと申します。」
「はい、これ鍵な。」
そう言って大家さんはどこかに消えてしまった。
「失礼します。今日入寮する1年の山下です。」
「こんにちは。」
優しそうな先輩だ。
「あの…荷物って…」
「私持つよ。」
先輩はスーツケースを持ち上げ歩いていった。さゆりもそれについていった。
「はい!ここが君の部屋ね。この寮、個室部屋があるから安心してね。」
先輩は微笑んだ。
「ところで君、名前は?」
(さっき言った気がする…)
「山下です。」
「下の名前だよ。」
「さゆりです。」
「さゆりちゃん?いい名前だね。」
「あ、ありがとうございます。」
学生寮での生活。
先輩たちはバイトで寮にいない。
「暇だなぁ…」
さゆりはスマホを開きスクロールした。
(いいバイトとかないかな。)
「コンビニスタッフ募集中かぁ。」
制服自費。
(やめておこう…)
近くの居酒屋は20歳以上。100円ショップ時給120円…
(つくづく運がないなぁ。)
動画編集、編集ソフト支給!
(うちパソコン持ってないよぉ。)
さゆりはスクロールを続けた。そして、興味深いものを見つけた。
(呪い代行、バイト募集中?)
気になりスマホの画面をタップした。
時給1200円…悪くはない。さゆりはメールを開いた。
さゆりはメールを送信し、スマホを伏せた。数分後、画面が光った。
「採用担当者様
突然のご連絡失礼いたします。
山下さゆりと申します…
…何卒よろしくお願い申し上げます。」
「はい、もちろんです。では面接は3月30日木曜日の18時30分でお願いします。」
(…いけた…)
さゆりは運動でもした後のように疲れ果てていた。
「…面接を希望した、山下さゆりと申します。本日は、よろしくお願いします。」
目の前に現れたのは思ったよりちゃんとしたおじさんだった。
「よろしくお願いします。オーナーの安倍博明と申します。」
結果は「採用」だ。安倍博明さんの「呪い代行」は結構な人数のバイトがいるらしい。
さゆりは少し安心した様に家へ帰って行った。
(呪い代行とか言ってたけどそんな感じじゃなかったな)
「おかえり。」
先輩が出迎えてくれたようだ。
「ピザ頼んでおいたから皆で食べよ。」
リビングには大きなダイニングテーブルがあった。
「そういえばこの前来た後輩ちゃんね。」
そこには3人座っていた。
「さゆりちゃんも、ほら、座って。」
「あ、ありがとうございます。」
「この子さゆりちゃんね。皆も自己紹介してね。」
「あの…まだあなたの名前聞いてなくて…」
「私?みより。」
コメント
1件
読んでくれた人ありがとう! 僕は不定期的に小説をあげていくのでそこら辺はよろしくお願いします!