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翔太Side
💙「……くっそ、なんでラウールまで勝手に動くんだよ!」
マネージャーから連絡があり、照と連絡がつかないことを知った。俺はすぐ他のメンバーにも報告して、全員でまとまって一緒に探すことを提案しようとしていた。なのに、大丈夫だろうと思って一発目に連絡したラウールが言うことを聞かず単独行動を始めてしまった。
💙「ラウールも照もまとめて探すには……やっぱあいつか」
俺は俺たちの中で唯一空を動ける佐久間に連絡して、2人まとめて探すことにした。俺ももちろん、全員への連絡が終わったら涼太と一緒に探すつもりだ。
🩷「もしもーし」
随分のんきな様子の佐久間が電話に出た。
💙「もしもし佐久間?あのさ、」
俺が完結に要件を伝えると、さっきまでののんきさはどこへやら、わかったと言ってすぐに電話が切れた。阿部ちゃんと一緒にいたらしいから、単独行動をすることは無さそうだ。ついでに阿部ちゃんに連絡する必要もなくなった。
ふっかはとっくに康二と行動してるみたいだし、めめにも連絡済みだし……んじゃあ、俺らもそろそろ探しに行こうかな。
💙「涼太ー、俺らも探しに行こうぜ」
❤️「……」
おかしい、ソファで座っているはずの涼太から返事がない。
💙「……涼太?」
嫌な予感を覚えながら近くに行くと、案の定涼太は胸を抑えて苦しんでいた。潤んだ瞳で俺を見上げて、彼は言う。
❤️「そろそろ、時間かも……」
目が赤くなりかけている涼太を、俺は冷たく見下ろす。変化が始まっている兆しだ。
💙「……じゃあちょうどいいや。そっちのこと、やりに行こ」
俺がそう言うと、涼太は安心したように体の力を抜いた。
涼太であって涼太じゃなくなった君は、まっすぐに俺を見てまっすぐに俺の指示に従う。――従順な悪魔だ。
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