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照Side


💛「ねぇなんでいないの!!」

ふっかに呼ばれて来たこともない屋敷に入ってみたけど、当の本人はどこにもいない。

💛「ほんとやだ……」

電気のスイッチがどこにあるかも分からず、真っ暗な屋敷の玄関口で佇む。なんか寒いし、虫がいっぱいいそうで怖い。なんて思っていると、タイミングよく耳元を大きな羽音がかすめていき、俺は泣きそうになりながら屋敷の中に逃げ込んだ。


中ほどまで入ったところで、大きな音を立てて入り口の扉が閉まった。と同時に、カチャリと外側から鍵がかけられたような音も。

💛「……は?」

慌てて戻ると、玄関はしっかりと鍵が閉められており内側から開けることができなかった。

💛「嘘だろ……」

もしかしてふっかの仕業か?とも考えたが、こんな悪質なことをアイツがするわけが無い。

みんなに連絡しようとスマホを取り出すと、表示された圏外の文字に落胆する。

💛「山奥だからか……困ったな」

広間の中心に戻り、暗く長くのびている廊下を見つめ、覚悟を決める。出られる場所を探そう。


……どれだけ探しても、出られそうな場所はなかった。それどころか、誰もいないはずなのに何者かの気配を感じる。

💛「やだ、怖いよ……」

廊下に小さく縮こまった瞬間、

?「……ひーかる」

💛「うわぁぁぁ!!!」


驚いてその場に転びながら振り返ると、のんきに笑っているふっかがいた。

💛「ふっか?!なんでここに……!」

💜「なんでって、ここに照呼んだの俺じゃん。ごめんね、こんなことになって」

💛「ふっかも出れないの?」

💜「当たり前じゃん、じゃなかったらとっくに照連れ出してるよ」

自分一人じゃなかったことに安心したけど、出れない状況は変わらない。とりあえず動いてみよっか、と言って2人並んで出口を探した。



💜「あ、そうだ。照、もう1個言っとかないといけなくてさ」

💛「なに?」

💜「……視えるでしょ?」

💛「……え」

不意にふっかが発した言葉は、俺の足を止めた。ふっかが視えるでしょ?と言った瞬間、俺の目の前にはたくさんの白いオバケが浮かんでいる。

💛「な、なにこれ」

💜「……照もさ、こっちにおいでよ」

言葉の意味は分からなかったが、ふっかが浮かべている笑みは明らかに恐ろしいものだった。


ふっかと一緒にいちゃいけない気がする。


💛「……やだ、行かない」

💜「大丈夫だよ、怖くなんてないよ?」

💛「急になに?ふっかは何をしたいの?」

突然対応を変えるふっかに、俺の中の恐怖心が強まる。すると、ふっかの爪がどんどん伸びて、手が骨骨しくなっていく。



💜「……何って、照にも悪魔になってほしいのよ」



そう言って笑う俺のそばにいたふっかは、ふっかじゃなかった。

急いでその場を逃げ出すと、白いオバケたちが俺を追いかけてくる。前からもたくさんのオバケたちが俺を襲ってくるけど、パンチが効くからひたすら殴って道を作る。

💜「どれだけ逃げても逃げらんないよ?ここは俺たちのテリトリーなんだから」

近くにいないはずなのに、やけにはっきりとふっかの声が聞こえて恐ろしかった。

💛「はあ、はあ、はあ……!」

普段ランニングをしているけど、こんなに走るとさすがに息が切れる。相手は宙を移動するオバケ、体力なんてものはない。

💛「うわっ!」

少し後ろを振り返ってオバケを確認したら、廊下に落ちていた物に気づかず躓いて転んでしまった。この瞬間を逃すまいと、俺を取り囲むオバケたち。視界が真っ白に覆われた。

💜「照、わざわざ来てくれてほんとありがとね?」

最後に、不敵な笑みを浮かべたふっかに顔をのぞき込まれた。……それ以降の記憶は、ない。

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