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午前2時の呼び出し
「……また、来たのか?」
「来ちゃダメだったの…..?」
夜中の2時。
いるまの家のインターホンを押したのは、いつものようにらんだった。
ジャージのまま、髪もボサボサで。
でも目だけは、どこか寂しそうで。
「今日は……寝れなかっただけ」
「嘘、つけ。どうせ俺に会いに来たんだろ」
「……うん」
らんは、素直だった。だから、いつもすぐ身体を重ねる。
抱かれることに、迷いも拒みもない。
けれどそれが、いるまにはどこか――
面倒で、愛しくて、壊したくなる。
ベッドの上。
らんの白い喉元に、いるまは歯を立てた。
「ん……っ、いるま……、もっと……して」
「お前、ほんとにドMだな」
「うん……だって、いるまにされるの、好きだもん」
“好き”――。
その言葉に、いるまの手が一瞬だけ止まった。
「……やめとけ」
「え?」
「そういうこと、言うなよ。”セフレ”だろ、俺たち」
「……分かってるよ」
らんは、笑った。
少し泣きそうな顔で。