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嬉々
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第七話 商いと、男装と、新たな予感。
7歳になったリアです。
去年の8月から両親の代わりに執務をやるようになって早一年。
最初は押し付けられていやいややってたし、
この家いらないかな、なんて思ってたんだけど
だんだんと楽しくなってきて
それなりに形になってきた。
執務をやってるうちにわかったことがある。
侯爵家、めちゃくちゃなめられている。
商人とかはもちろん、領民にまで。
子供だからとかもうそんなのすら関係ない。
ペリドッド侯爵家だから。
こんな理由でなめられてたまるかよ。
って思って個人的に商会との取引を始めたのが半年前。
最初はこんな子供が~とか所詮は侯爵家だろ?とか好き勝手に言われてたけど
前世の記憶にある商品とかはきっと信用してもらえないと思って
経営ノウハウだとか医療知識だとか似たようなものはあるけど具現化されてこなかったモノを
言葉の端々にちらちら見せたら目の色変えて食いついた。
さすがは商人。
話が早い。
商人たちとのとっかかりを得たらあとは簡単。
侯爵家のへったくそな資金運営と浪費で傾き始めていた資産を元通りに。
その辺は執事とかがやってるかな~とか思ってたけど
横領されたくないとかで資産は侯爵家の血筋しか動かせないようにしているらしい。
変なところで潔癖だ。
あと領民たちへの福祉とかを始めた。
橋を作ったり公共施設を作ったり。
うちの領地は決して広くはないが商人の町だ。
それなりに栄えている。
だからこそ何もしなくても多少は金が入ってきている訳だが…。
金が少し入って来ていてもその倍以上を浪費しているのが現状。
もっと稼がねばいずれ金が尽きる。
私は別に貧乏生活がしたいわけじゃない。
この国では女性でも爵位を継ぐことができる。
正直言って侯爵という地位はかなり魅力的だ。
これはまだ確証はないが母上も父上も愛人がいる。
おそらく後継者がほかに現れることはないだろう。
順当にいけば私が次のペリドッド侯爵家当主になる。
だからこそ私は資金繰りをしなければならない。
父上がやらかしてくれた。
そのせいで私は今現在トラブルに見舞われている。
どうやら酔った拍子に飲んでいたワインを私のドレスにぶっかけたらしいのだ。
私はもともとドレスなどもっていない。
数着はレオ様達との茶会のためにもっていたが
ちょうどサイズアウトしそうだったので売ったところだったのだ。
そのためオパール辺境伯家主催の誕生会に出席できなくなるかもしれないのだ。
ただの誕生会ではない。
ノエル様の妹でオパール辺境伯家の長女、フィオナ様の誕生会だ。
彼女は今現在4歳で全種類の精霊と契約している。
これだけのの魔力量があるのはとんでもない子供だという証拠だ。
しかも発想力もよく
城内の森で魔力を放出させれば精霊が早く見つかるのでは?
と考えて今回の誕生会の会場は森の近くらしい。
そして参加者にもその機会があるそうだ。
この茶会ではオパール辺境伯家の三兄妹と年が近いものとその家族が呼ばれている。
そのため、学園に通っている子供たちもこれから通う子供たちもライバルに先を越されないよう
出席するだろう。
オパール辺境伯家の領地は精霊が多い。
それは今までもそうだった。
しかし、フィオナ様が生まれて以来増加している。
私は、彼女が私と同じ転生者なのではないかと思っている。
だからこそこの誕生会は欠席するわけにはいかないのだ。
なのに父上は…。
母上に相談したらなぜか男物の服を渡された。
The 貴族令息
みたいなデザインのものだ。
今日は仕方ないからこれを着なさい、だと。
なぜ我が家にあるのかもわからないし
なぜこれでいいと思っているのかもわからないが
遅れるわけにもいかないので仕方なく着ることにする。
服を着てみせると母上もエドワードも使用人も驚いた顔をしていたが
きっとあまりにも似合っていなかったのだろう。
絶対ノエル様に笑われるような気がするが我慢だ。
ゴテゴテと絶対にいらないであろう装飾品がふんだんに使われた馬車に乗り込む。
正面に母上と父上が乗り込んでくる。
「リア?オパール辺境伯家の嫡子とはどうなんだい?」
「もちろんだけど仲良くしているわよね?」
またこれか。
最近口を開けば殿下達とは仲良くしているのかばかり。
自分たちの地位にしか興味がないんだから…。
「ええ、殿下も含め皆さんにはとてもよくしてもらっていますわ。」
初めての茶会の後からレオ様達とは何度か会って様々なことを議論したり情報交換をしたりしている。
今では友人のように思っているし思ってもらえてもいると思う。
あと呼び捨てでいいよってなった。
殿下は頭の中では様づけになっちゃうけど。
この人たちに話すこともないのできまずくなって目をそらすと
「緊張してるの?かわいい子ね」
と母上が言う。
心にもないくせによく言えたものだ。
あきれてものも言えない。
あいまいに笑って目を窓の外に向ける。
すると領民が仕事をしながら笑っている姿がみえた。
最近領民の顔に笑顔が増えたように思う。
自分の努力が実ったみたいで少しうれしい。
誕生会についた。
とてもきれいなところであとでゆっくり回りたいが
まずは主催者に挨拶をしなければならない。
父上の後に続いて少し歩くとすぐにオパール辺境伯の姿が見えた。
どうやら家族全員そろっているようだ。
絶世の美男美女家族がそこにはいた。
辺境伯夫人は少し青色がかった銀色の髪に透明度のあるはちみつ色の目。
辺境伯とノエル様、フィオナ様は少し紫がかった銀色の髪に紫色の目。
ただ次男のアルバート様は赤茶色の髪に浅葱色の目。
きっと昔の私のように不義の子だと嫌味をいわれたこともあったのだろう。
私が彼に目線を移したのを見て少し場の空気がこわばった。
ノエル様はもともとブラコン、シスコンの兆しがあるとは思っていたが
これは家族全員が当てはまるとよく分かった。
私の服を見て周りにいた全員が困惑した顔になったのも
想定外だったが。
そんなに似合わないのか…。
それにしても
うちの両親も顔はいいほうだとは思っていたがそれ以上に辺境伯夫妻は美しい。
まさにお似合いの二人だ。
服に互いの色をさりげなくまぜているのもとてもおしゃれだ。
いろいろと考えている間に私のことが紹介された。
「長女のリアです。本日は少しトラブルがおきましてお見苦しい格好ですがご了承ください。」
なんなのよトラブルって。
父上のせいでしょうが…。
「リア・ロムルス・フォン・ペリドッドです。本日はお招きいただきありがとうございます。そしてフィオナ様、お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
おお、声まで可愛い。
めちゃくちゃ整った顔で目も大きくて見た目でこれだけ可愛いのに
声まで可愛いなんて。
うらやましい。
私には可愛さがないからな…。
表情筋も死んでることのほうが多いし…。
それにしても動きが4歳児とは思えないほどなめらかだ。
少し、緊張しているようだが。
これは私の思った通り彼女は私と同じ転生者の可能性が高そうだ。
コメント
3件
第7話、読了したよ〜!😭💕 リア、商才発揮しまくりでかっこよすぎるし、男装してる姿を想像しただけで萌えが止まらないんだけど?? ノエル様たちとの再会シーンもエモいし、フィオナ様が転生者疑惑なのも気になりすぎる…! 続きが待ちきれないよ、柘榴さん!✨🕊️