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『すっごく素敵…!』
明るく陽気な昼下がり、其処は沢山の人の楽しそうな声で溢れていた。色とりどりの動物達に、美しい薔薇の花。空は雲ひとつなく澄み渡り、優しげな風に吹かれて木々はさらさらとそよいでいた。シェフであろうか。眼鏡をかけた青年が、ケーキを運んでいる。それを見るやいなや、人々は瞳を輝かせて、すぐさま男の周りに集まった。辺りに甘い香りが充満し、皆の顔に笑顔が満ちてゆく。まるで絵に描いたような、穏やかなひと時が其処にはあった。人々が楽しげに時を過ごす様子を、赤髪の少年は満足そうに、暖かな面持ちで眺めていた。
其処にほど近い茂みの中。彼は、居た。