テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
朝、目覚ましの音で起きると、貴方はいつもより広い布団で寝ていることに気がつきました。
とりあえず目覚ましを止めようと手を伸ばすと、自分のとは思えない白い体毛で包まれた小さな手が見えました。
驚いても声が出ず、目覚ましも止まりません。
おかめ「〇〇ちゃ〜ん?スマホ鳴りっぱなしだよ〜」
おかめが部屋に入って目覚まし音を止めると、貴方と目が合いました。
「おかめさん!」と言おうとしますが、ぷきゅっぷきゅっという音だけが口から出ます。
おかめ「あらまぁ、どっから入ってきたの?おチビちゃん」
そう言って貴方を抱っこするおかめ。
いつもより何倍も彼が大きく感じ、いえ、実際大きくなっています。
おかめ「…それより、〇〇ちゃんどこ行ったんだろ?さっきまで寝てたし、部屋から出た感じもなかったけどなぁ?」
きゅうきゅうと貴方の声を聞いて優しく頭を撫でるおかめは、貴方を抱えたままリビングへ向かいました。
そこで気づいてしまいます、鏡に写った貴方が、小さなウサギになっていることに。
おかめside
2階から〇〇ちゃんのスマホアラームがずっと鳴ってるから、起こしに行こうと寝室のドアを開けたら、そこに彼女の姿はなくて、白くて可愛いうさぎがいた。
おかめ「毛並みも綺麗だし、誰かに飼われてた子かな?まさか…〇〇ちゃんが内緒で飼ってたとか?」
とりあえず〇〇ちゃんの知り合いや家族、メンバーのみんなに連絡してみよう。
彼女がどこに行ったかでもわかればいいんだけど…
おかめ「…あ、もしもし般若?実は〇〇ちゃんが…」
何人かに〇〇ちゃんのことを聞いて、俺も心当たりがありそうな場所を探しに行ったけど、結局見つからずに夜になっちゃった。
心配だけど、家にいたうさぎのこともあるから今日は帰ろう。
玄関を開けると、お留守番させてたうさぎが耳を垂らして座ってた。
よっぽど寂しかったみたいで、俺を見た瞬間耳をぴんっと立てて足元に飛んできた。
おかめ「ただいま、一人にさせてごめんね…俺の大切な人がいなくなっちゃって、探してたんだ」
この子にはわかんないだろうけれど、俺は〇〇ちゃんの心配や不安の気持ちを話し込んだ。
おかめ「突然いなくなってね、その人の親とか俺の友達とかにも聞いてみて、外探しても見つからなくてさ…本当…どこ行ったんだろう…」
あまり考えたくないけれど…愛想尽かされたのかな、そう思うと涙が溢れてきて頬を伝う。
おかめ「〇〇…帰ってきてよ…っ」
涙がうさちゃんの白い毛にぽたぽたと落ちる。
するとその小さな体がふわりと光り始めた。
だんだん眩しくなって、だんだんと人間のシルエットに変わっていった。
おかめ「うわっ?!」
目の前にいたうさぎが、〇〇 に変身した。
「お、おかめさんっ…」〇〇は泣きそうな顔で俺を見つめて、俺は思わず〇〇を強く抱きしめた。
おかめ「〇〇っ!良かったっ…見つかって良かったぁ…!」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!