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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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狭山先生からLINEがあった。
「もしよかったら、和泉さんの様子見に行ってもいいですか? 担当の奥さんも一緒に」
あっそうか、奥武蔵さんも和泉の友達だし、一緒に唐和開港綺譚の仕事してるんだから心配だよな。
『大丈夫、来てくれ。よかったら遊んでやってくれ』
そういうわけで、狭山先生が奥さんを連れて家に来た。奥さんはワシに挨拶してから、心配そうにチビ和泉を見た。
「うわちっちゃ……大丈夫? 元気?」
「おっくん!」
チビ和泉はパッと顔を輝かせ、嬉しそうに奥さんに駆け寄ったけど、はっとして「ごめんなしゃい……」と目をうるうるさせ始めた。
「えっ、どうしたの!?」
「かきかき、ない……」
「あっ、仕事のこと!? いや確かにそうなんだけど……それどころじゃないだろゆっちゃん!」
奥さんはでかい体を折りたたんでチビ和泉の頭を撫で、ワシもチビ和泉をあやしてなんとか泣き止ませた。
ワシは狭山先生に聞いた。
『唐和開港綺譚、和泉がダメだとどんな感じだ?』
狭山先生は眉根を寄せた。
「4巻は近日中に出るんで、5巻以降が問題ですね……いや、5巻に着手できるかどうかは4巻の売り上げ次第なんで、猶予はあるんですけども」
奥さんが言った。
「コミカライズ準備の資料借りる予定だったんですよ、とりあえずそれだけ借りさせていただければ当面は大丈夫なんですが」
『どの本だろ?』
ワシは困った。漢方の本、和泉は結構持ってるしなあ。
『和泉、どの本かわかるか?』
「ごほん?」
チビ和泉は首を傾げた。
『わかんないかあ』
「ごほん、あっち」
チビ和泉は机の上を指さした。
『あっ、わかるか?』
「こえ!」
チビ和泉を抱っこして机の上がよく見えるようにしてやると、チビ和泉は何冊か本を指さしたので、ワシはそれらを取り出して重ねた。
『これかなあ、奥さん』
「あ、タイトル的に多分これですね……ありがとうございます!」
奥さんは本を受け取って、カバンにしまった。狭山先生もホッとした顔をしたけど、こう言った。
「当面は大丈夫ですけど……あくまで当面です。いつ解呪できるかは、まだ全然分かりません」
『解呪できる人、いないのか?』
「今、峰家と九さんと深山さんと、他にも心当たり色々声かけてるんですが、みんな和束ハル対策にまず力を割かないといけない状態でして……和束家当主も若返りの術式を見たいって言って割と協力的なんですが、それより護符を作ってくれって状況でして」
『そっかあ……』
診断書、一ヶ月で書いてもらったけど、一ヶ月でどうにかならないかもしれないのか……。
奥さんがチビ和泉を高い高いして、チビ和泉がキャッキャして喜ぶのを見ながら、ワシはまだしばらくこの生活が続くことを覚悟した。
コメント
1件
うわあ、チビ和泉ちゃんが「かきかき、ない…」って泣きそうになるの、切なくて胸がぎゅってなったよ…💧 それでも「おっくん!」って駆け寄る姿が可愛すぎて、でも自分が仕事できなくなったことに気づいて謝るの、子供になっても真面目な和泉さんだなあ。金谷さんの「覚悟」で締めるところ、じんわり来た。このまま日常が続く感じがすごく伝わってきたよ🥀