みのり「そっか…雫ちゃん、“一緒にいたくない”なんて言ってない…!」
〈雫「楽しかったわ。とても。でも…出来ないの。もう、みんなといることは」〉
脳内で雫ちゃんが寂しそうに、悲しそうに言ったことが響いた。
リン〘みのりちゃ〜ん!!〙
みのり「はっ!ありがとう、リンちゃん!やっぱり私、救うよ。今度は届けたい。愛莉ちゃん、遥ちゃん、雫ちゃんに!」
勇気に、希望に満ちた表情で言う。決めた。絶対に、救う。何があっても。
リン〘うん!頑張って、みのりちゃん!応援してるよ〜!〙
みのり「ありがとう!リンちゃん」
リンちゃんとハイタッチをする。
(イメージ図↓)
今は放課後。雫ちゃんの次は愛莉ちゃんって決めたから。
みのり「あ、いた!!あッ愛莉ちゃんッ!」
愛莉「みのり!?」
愛莉ちゃんは雫ちゃんのように驚いていた。
みのり「あ、あのね!愛莉ちゃn」
愛莉「ごめんなさい!!」
次の瞬間、愛莉ちゃんは全速力で走った。
みのり「待って!!愛莉ちゃんッ!!」
愛莉「来ないで…お願いだから…来ないで…ッ!!」
ギリギリで追いつき、腕を掴む。
みのり「違うの。話を聞いてくれない?愛莉ちゃん」
愛莉「…………」
辛そうに目を閉じ、俯く愛莉ちゃんは私の知らない愛莉ちゃんだった。
みのり「……ごめん。愛莉ちゃん」
愛莉「…え?」
愛莉ちゃんに謝るとすぐにプレイリストを開き、『アイドル新鋭隊』を押す。
.☆.。.:*・゚
愛莉「きゃあ!?」
みのり「愛莉ちゃん、聞いてもいい?」
決意のこもった声で言う。
みのり「どうして、アイドルをやめようと思ったの?」
愛莉「それ、は……」
愛莉ちゃんは絶対に言わないという顔をして黙った。
みのり「…愛莉ちゃんは、凄いよね。バラドルの時もニコニコして、自分だって辛いのにみんなのために元気を届けてる」
愛莉「みのり…?」
みのり「でも、だからこそ、休まないとダメだよ。あはは、話が矛盾してるね。…でも、愛莉ちゃんはさ?辞めるんじゃなくて休みたいんじゃないの?辛くて、苦しくて、確かにアイドルをやめようと何度も思ってたんだよね。でも、昔にはそういうこといっぱいあったでしょ?でも、愛莉ちゃんはファンのために、みんなに希望を届けるために頑張ってた。だから、限界が来ちゃったんだよね」
愛莉ちゃんは今にも泣きそうな顔で私を見てた。
愛莉「…確かに、そうねッ。何度もアイドルをやめようと思ってたけど、雫が、遥が、そして…なによりみのりが頑張ってるから私も諦めないでアイドルをしてたわ。でも…やっぱり、私には…アイドルは無理なの。事務所にも言われた通り、私にはアイドルの才能は無くて、タレントとしての才能があった」
みのり「でも、MORE MORE JUMP!の桃井愛莉は誰よりも希望を届けられてたと思うよ。キラキラアイドルじゃなくてもいい。バラエティアイドルでもいい。私は、“桃井愛莉”が好きだよ」
だって、消えられないから。消せないから。みんなと楽しく過ごせた思い出を。みんなで育んだおっきな夢も。みんなと一緒の想いも。消せることは出来ないもんね。愛莉ちゃん。
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