テラーノベル
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午後のステージが始まった。
最初は作品紹介と朗読会だった。
会場には、さまざまな作品を作っている人たちが集まっている。
イラストを展示する人。
小説を朗読する人。
自分で作った音楽を披露する人。
ユナは客席の前方に座り、ステージを見つめていた。
やがて、スクラッチャーズの出番が近づく。
K-Tはドラムの前に座り、メバルはギターを構えた。
マサカゲはベース、アオノはギターを手にしている。
カキとミステーは照明設備の前に立っていた。
「二人とも、今日は本当に勝手な操作をするなよ」
マサカゲが言う。
「今日はちゃんとするよ、マサっち!」
「僕たちは照明と心を通わせるからね」
「心を通わせるな。設定を確認しろ」
アオノが機材を調整する。
「音声入力は安全設定にしています。大声を出しても、照明が過剰に変化することはありません」
カキがマイクを握った。
「おはようございま――」
「本番前に歌うな!」
メバルが叫ぶ。
その声だけで、客席から笑いが起こった。
そして、演奏が始まった。
K-Tのドラムが会場を力強く叩く。
メバルのギターと歌声が重なり、マサカゲのベースが音を支える。
アオノのギターが鮮やかな旋律を奏でる。
普段は騒がしく、自由すぎる六人だった。
しかし音楽が始まると、全員が一つになった。
ユナは夢中になってステージを見つめていた。
曲の間奏で、マサカゲがベースソロを披露する。
続いてアオノがギターソロを弾いた。
最後に、K-Tのドラムが激しく響く。
会場中に拍手が起きた。
「すごい……」
ユナは思わず立ち上がっていた。
演奏が終わると、K-Tとメバルが客席へ向かって話し始める。
「今日は来てくれてありがとう。スクラッチャーズは、作品を作る人も、見る人も、楽しめる場所を作っていくグループです」
カキが横から口を挟む。
「そして僕たちは、歌も歌えます!」
「歌わなくていいわよ」
「でも、さっきのサウンドチェックで――」
カキとミステーがマイクを取り合う。
「やめなさい!」
メバルが止める。
しかし、ミステーが一瞬早くマイクを握った。
「それでは、特別曲――」
カキも隣に並ぶ。
「『朝のピラミッド』!」
「そんな曲はありません!」
二人は歌い始めた。
音程は相変わらずひどかった。
カキの声とミステーの声が、互いに違う方向へ進んでいく。
観客は笑いながら手拍子を始めた。
メバルは頭を抱え、マサカゲは「そろそろ怒られるぞ!」と叫ぶ。
K-Tは静かにドラムスティックを持った。
「またですか!?」
ユナが叫ぶ。
K-Tは二人の後頭部を、今度は左右から軽く叩いた。
「演奏時間は終了だ」
「アンコールは!?」
「ありません」
メバルもマイクスタンドを手に取り、二人をステージの端へ追いやる。
「退場!」
「メバルちゃん、これは表現だよ!」
「表現をやめなさい!」
二人はステージの外へ転がっていった。
会場は大きな笑い声に包まれた。
ユナも笑っていた。
そのとき、K-Tと目が合った。
K-Tは一瞬だけ微笑んだ。
それだけなのに、ユナの胸は妙に高鳴った。
ステージが終わった後、ユナは楽屋裏へ向かった。
K-Tに伝えたいことがあった。
「Kさん、演奏、とてもよかったです!」
「ありがとう。メンバーにも伝えておく」
「Kさんは、いつも皆さんをまとめているんですね」
「まとめているというより、事故を防いでいるだけだ」
「でも、すごく頼りになります」
ユナがそう言うと、K-Tは少し黙った。
「そう言ってもらえるなら、ここへ来た意味はあった」
その言葉に、ユナの胸がまた熱くなった。
そのとき、遠くからカキの声が聞こえた。
「Kさん! ミステーがスモークを出しすぎました!」
「アオノ、対応を頼む」
「はい!」
K-Tはすぐに走り出した。
ユナはその背中を見つめた。
危険を避け、仲間を守り、何が起きても冷静に動く。
そんなK-Tのことを、もっと知りたいと思った。
K-Takasaka
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K-Takasaka
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#学校生活
コメント
1件
読了したよ〜!!🌟 第3話、めっちゃ良かった😭💕 スクラッチャーズのライブシーン、緊張感と笑いのバランスが絶妙で、ステージの熱気が画面越しに伝わってきたよ!特にK-Tがカキとミステーの後頭部を叩くシーン、めっちゃ好き(笑)あの絶妙な距離感とメンバー愛が感じられるし、読んでて笑顔になっちゃった😊 そしてユナの「もっと知りたい」っていう気持ち、すごく共感!K-Tの頼りになるところと、一瞬見せる優しい微笑みのギャップがエモすぎる〜〜🫠💕 次の展開が気になりすぎる!