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#K-Takasaka
K-Takasaka
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#K-T
夕方になると、会場の外で雨が降り始めた。
来場者が一斉に入口へ集まり、通路が混雑する。
「メバル、入口の誘導を頼む」
「分かったわ」
「マサカゲは場内の状況確認。アオノは機材を守ってくれ」
「了解です」
K-Tはすぐに指示を出した。
ユナも受付の手伝いを始めた。
「こちらへどうぞ! 足元にお気をつけください!」
メバルの指示に従い、来場者が安全に移動していく。
しかし、会場の裏手で突然、照明が消えた。
「停電ですか?」
ユナが尋ねる。
「違う。照明の制御が止まったんだ」
アオノが機材を確認する。
その横で、カキとミステーが顔を見合わせた。
「僕たち、何もしてないよ」
「僕も何もしてないよ」
「その言い方は、何かした人の言い方だ!」
マサカゲが叫ぶ。
カキの手には、見慣れないスイッチがあった。
「これ、押すと雨の日演出になるって書いてあるよ」
「それは非常用のスモーク制御スイッチです!」
アオノが青ざめる。
ステージの奥から、白い煙が流れ始めた。
「わあ、雲が出たよ」
ミステーが感心する。
「感心している場合じゃない!」
アオノが走り出す。
K-Tはすぐに会場全体を確認した。
「全員、その場から動かないでください。誘導路を確保する」
ユナはK-Tの指示に従って、来場者を安全な場所へ案内した。
雨音が強くなる。
機材を運び込むため、K-Tは外へ向かった。
「Kさん、私も手伝います!」
「危険だ。ここにいてくれ」
「でも……」
「安全を守ることも、立派な仕事だ」
K-Tはそう言って、バスへ向かった。
青い警察用バスの中には、音響設備や照明設備がぎっしり積まれていた。
K-Tが機材を運び、アオノが接続を確認する。
マサカゲは進行を組み直し、メバルは来場者に状況を説明した。
カキとミステーは、珍しく静かにしていた。
「僕たちも何かしよう」
ミステーが言う。
「そうだね。今度は怒られないことをしよう」
二人は会場の案内板を持って、来場者の誘導を始めた。
「こちらが安全な通路です!」
「ピラミッドはこちらではありません!」
「何の案内!?」
メバルが叫んだ。
それでも、二人の明るさに救われる人は多かった。
しばらくして、照明が復旧した。
アオノが息をつく。
「戻りました」
会場に明かりが戻る。
拍手が起こった。
K-Tは濡れたまま、入口に立っていた。
ユナはタオルを持って駆け寄る。
「Kさん、これ……」
「ありがとう」
K-Tはタオルを受け取った。
「今日は大変でしたね」
「フェスにトラブルはつきものだ」
「でも、Kさんがいたから、みんな安心していました」
K-Tは少しだけ視線をそらした。
「俺一人では何もできない。皆がそれぞれ動いたから、復旧できた」
「Kさんは、仲間を信じているんですね」
「当然だ」
短い返事だった。
けれど、その言葉には強い信頼が込められていた。
雨は、夜になるころには止んだ。
最後のステージでは、スクラッチャーズが再び演奏を行った。
今度はカキとミステーも、歌わずに照明を担当した。
少なくとも、最初の数分間は。
曲が終わると、カキがマイクを握る。
「最後に、僕たちの特別曲を――」
「やめなさい!」
メバルが飛び出す。
カキとミステーは、またしてもステージの端から投げ出された。
笑い声と拍手が会場を包む。
ユナはその光景を見ながら、ここにいる人たちともっと一緒にいたいと思った。
この場所で、作品を作りたい。
この人たちと、何かを始めたい。
そう強く思った。
コメント
1件
おおお〜!第4章読み終わったよ〜!!😭💕 雨の中のフェス、ハラハラドキドキだったけど、みんなで協力して乗り越える感じがめっちゃエモかった!K-Tさんの冷静な判断力と周りを信じる姿勢、かっこよすぎん??「当然だ」の一言にグッときたわ…💘 カキとミステーのトラブルメーカーぶりも相変わらずで笑ったけど、最後はちゃんとお手伝いしようとするの可愛かったね〜!あとユナの「この場所で作品を作りたい」って気持ち、すごく共感する…!また続き読みたい!!🌸