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『これは狂気満ちた愛のカタチ』
FIRST LOVE 担当執事として
私の朝は主様を起こす所から始まります。
コンコンッ。ガチャッ。
『主様。おはようございます。』
『おはよう、ラト。』
主様は寝起き声で私の名前を呼ぶ。
(あぁ、その声を聞けただけで幸せです。)
『今日はお休みですよね?』
『今日は学校があるの。夕方には戻ると思うわ。』
『そうですか……。』
(主様はいつも屋敷にはいてくれないんですね…いっそのことその足を折ってどこにも行けないように…。)
『ラト?』
『……!なんでしょうか、主様。』
『なるべく早く帰るようにするから、私が帰ってきたら一緒にご飯食べよう?』
『!はい、主様。』
担当執事としてじゃ足りない。もっと貴方と親密になりたい。もっと、もっと――。
『行ってらっしゃいませ、主様。』
『行ってきます。』
主様は指輪を外して元の世界に戻る。
『……はぁ。主様……っ。』
(ダメだ、おかしくなりそうです。主様とずっと一緒にいたい。こっちの世界に留まらせる方法はないんですか…。主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様…!!)
私は主様の部屋で頭を掻きむしりながら床に座り込む。
私は主様のベットに倒れ込む。
ボフッ!
『ここなら…。主様に包まれて…とても幸せです。』
私は…執事としてじゃなく本能として貴方が欲しい。愛してるのです。貴方のことが好きなんです。貴方もどうか私の想いを受け入れて下さい…。
『主様……。』
一方その頃。
『ラト…大丈夫かな。寂しそうにしてたけど…。ラトが担当執事になってから…ラトの様子が前より変わったような気がするんだよね…。』
(私の気気の所為ならそれでいいんだけど…。)
『主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様主様。』
(そういえば指輪を通して声が聞こえるようになってるんでしたっけ。あぁ、いけない…。
主様に聞かれたら怖がらせてしまいますね。まぁ…それもまたいい…怖がってる顔も大好きですから。)
『ボソッ。大好きです…主様。
早く……私のものになって下さいね。』
誰にも渡しません。主様は私のものです。
他の執事にも他の男にも…絶対に。
『もし主様が私以外を選ぶならその時は――。』
私は短剣を取り出す。
カチャ…ッ。
『貴方を殺してから…私も死にます。 』
グサッ!
手首に短剣を刺す。
グリグリ……ッ。
ズルッ…ッ!
短剣を奥に押し付け、短剣を抜く。
グリュ、グニュッ…。
肉を抉り出すように指で弄ぶ。
『アハハッ♪ねぇ、主様。私は貴方の頭の先から足の先まで全て愛してます♡♡内蔵も骨も全て……♡♡』
(主様は私の気持ちに気付いてないんですね…まぁ、いずれその身に解らせてあげます。
私の愛を…ね。)
デビルズパレス 医務室
『生きている実感が欲しかったんです。』
『ラト君……。いくらなんでもこれは…。』
『クフフ、すみません。やりすぎました。
主様を想いながら自傷するとつい…。』
『……。ラト君は主様のことが大切かい?』
『えぇ。もちろんです。たいせつなひとで大好きな人です。』
『それならもうこんなことはやめるんだ。
主様が悲しむよ。』
『主様が…悲しむ、ですか。』
『あぁ。』
『……。分かりました。主様が悲しむなら…。』
『わかってくれてありがとう。はい、できたよ。』
『ありがとうございました。ミヤジ先生。』
バタンッ。
『ラト君……。』
『悲しむ、ですか、主様が。』
(悲しんだ主様を見るのも楽しいかもしれませんね。きっと綺麗です。でも、ミヤジ先生もおかしなことを言いますね。主様が好きだから自傷してるのにそれをやめろ。なんて。私の愛を否定するのでしょうか…。)
『ミヤジ先生は私にとって大切な人ですが主様より大切な人ではありません。だから…。
もし、邪魔になるようなら――。』
排除するしかありませんね。
夜。デビルズパレス。食堂。
『主様、おかえりなさいませ。』
『ただいま、ラト。一緒に夜ご飯食べよっか。』
『えぇ。』
『……。』
『ふふ、美味しい。』
(あぁ、可愛いですね…。その笑顔、所作、唇、全て愛おしい…♡♡)
『ラトパセリだけじゃお腹空くでしょ?足りるの?』
『フフ、私はパセリが好きですから、これで充分なんです。』
『そんなんじゃ栄養が偏るわ。ラト、口開けて。』
『主様?』
『ハンバーグあげる。あーん。』
『…!美味しい…です。』
『でしょう?』
(ああ……主様…。ほんとうに優しい方。
渡したくない。絶対に。)
『私も主様に食べさせてあげます。口開けてください。』
『わ、私?私はいいよ恥ずかしいし…。』
と、断った時、ラトの顔が変わる。
『主様は私が嫌いですか?それとも私のことを愛していないから食べれないんですか?』
『ラト……?』
(様子が……。)
『見捨てないでください、主様私はあなたに捨てられたら…っ!!』
『あの、ラト落ち着いて…?』
『はぁ、はぁ、はぁ……っ!!』
『ラト君!!主様、離れていてね。』
『み、ミヤジ…。』
『ラト君、落ち着いて。主様はラト君のことを見捨てないよ。大丈夫、大丈夫だから。 』
『本当、ですか…?』
『あぁ。』
『…主様。』
私は主様の方に歩いて抱き締める。
『…!』
『そうですね…もし嫌いならここで私を突き放すはずです。フフッ。主様…大好きです。』
『ラト……。』
私はラトを抱き締め返すことが出来なかった。
それが咄嗟のことだったから、なのか。
恐怖なのかは……分からない。
夜。主の部屋。
『すぅ、すぅ……。』
ギィィ…。
私は窓から入り込み主様の寝顔を見つめる。
『……フフッ。可愛いですね、主様。』
(今この時間だけは私と2人きりですね…。
ねぇ、主様。私はこんなに貴方のことを好きなんですよ。なのに貴方は私を見てくれない。担当執事という壁が私と貴方にはある。)
『近くて遠いです…主様。』
私は主様の頬に触れる。
『ん……。』
『いつかこの白い肌を私の痕でいっぱいにしてあげますからね♡私の…私だけの主様♡♡』
チュッ。
その首筋へのキスは――誓いの証。
支配するという心の表れだ。
次回
SECOND LOVE 愛に気付いて