テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『これは狂気満ちた愛のカタチ』
SECOND LOVE 愛に気付いて
深夜――地下執事部屋 拘束部屋
『フフッ。フフッ。あの白い肌の柔らかい肌の感触が残っています…。もし、この唇で全てを
愛せるなら……私はきっと幸せで死んでしまうのでしょう。』
ジャラジャラ……。
『いつか主様をここに…閉じ込めてあげますからね。私の愛に…気付いて下さい。主様。』
ガチャッ。
私は拘束部屋から出て鍵を閉める。
次の日。
主の部屋
『……。』
(ラト…昨日は大丈夫だったかな…。心配だな。)
私は身支度をする。
『ん…?』
鏡で首筋を見る。
『赤い、痕…?』
私は首筋に触れる。
『虫刺されかな…。でも昨日窓は閉めて寝たし…ルカスに塗り薬を貰おうかな。』
コンコンッ。ガチャッ。
『おはようございます。主様。今日はお休みですか?』
『うん。お休みだよ。』
『では私とずっと屋敷にいましょう。ね。』
『う、うん。あの、ラト昨日は大丈夫だった?』
『昨日ですか?えぇ。主様のおかげで。』
『それならいいんだけど…。』
『フフッ♪』
私は主様の首筋を見つめる。
『朝ごはんが出来ていますよ、一緒に行きましょう。』
『うん。』
一緒に部屋を出て食堂に向かう。
2階 廊下。
(…ラトの腕の包帯赤く滲んでる?)
『あの、ラト…。』
と、その時だった。
『主様。』
『!ミヤジ?』
遮るようにミヤジが私に話しかける。
『ちょっといいかな?ラト君、先に食堂に行っていてくれないかな、すぐ向かうから。 』
『…分かりました。早く来てくださいね、主様。』
ミヤジは私の手を引く。
『どうしたの?ミヤジ。』
『ラト君の包帯が気になったと思って。 』
『!うん……それを今聞こうとしてたの。赤く滲んでたから怪我したのかと。』
『…主様が思ってる通りラト君は…たまに自傷行為をすることがあるんだ。過去を乗り越えたとはいえね…。』
『あ……。』
ラトの過去にされたこと、絶望した理由。私はそれを知っている。だからなのかもしれない。
出会った時はそうでもないが、彼と過ごして担当執事として傍にいるうちに執着が凄い気がする。
薄々気付いていた。執事としての一線を…超えすぎている。と。
『でも私がちゃんと手当てしているし、ラト君にともうしないように言ったから大丈夫だよ。』
『うん……分かった。』
(私も気にかけてあげないとな。)
食堂。
『……フフッ。』
『…ラト食べないの?』
『主様が食べさせてくれるまで食べません。』
『え…。』
『ら、ラト君執事としてそれは…。』
『何か問題ですか?ベリアンさん。』
『っ…。』
ラト君に鋭い目で睨まれる。
『べ、ベリアン、大丈夫だよ。ラトは最近甘えん坊なの、ほら、あーん。』
『フフッ♪美味しいです。』
(そうです、私にだけ優しくしてくれればそれでいいんです。あぁ、その顔…私が怖いですか?私も怖いですよ。これ以上貴方のことを好きになって壊してしまいそうな自分が。)
『ミヤジさん…。』
『あぁ…。ごめんね、ベリアン。私の注意不足だ。』
『いえ、ミヤジさんが謝ることではありませんよ。ラト君が変わっているのは今に始まったことではありませんので、それに、主様がいいのならとやかくは言いませんよ。』
『そうだね…でも…。』
私はラト君を見つめる。
『ご馳走様でした。』
私は部屋へ戻ろうとする。
『どこに行くんですか?』
私は主様の行く手を阻んだ。
『へ、部屋に戻るだけだよ。』
『…今日は私とずっと一緒にいると約束しましたよね。』
『もちろん、一緒にいるよ。でも部屋で少しやることがあるんだ。終わったらすぐにラトの所へ行くから…。』
『……。』
(私が誘ってるのに頑なに断りますね。
私はこんなに好きなのに。私の好きが伝わっていないのがもどかしいです。)
『ごめんね、ラト。』
私はラトを置いて部屋へ戻る。
『あ、主様…。』
『ラト君、ちょっといいかな?』
『なんですか?ミヤジ先生。』
『1回…部屋に戻ろうか。』
『…?はい。』
地下執事部屋
『執事としての一線を超えてる?私がですか?』
『ラト君が主様のことを大切な人なのは分かる。でも、主様に食べさせてもらうのは少し甘えがすぎるというか…。主様を困らせてはいけないよ。』
『……そのようなつもりはなかったのですが。』
『そうか…でも、ベリアンや周りの執事の子がみたら羨ましがるし、真似したがるから……。』
『え?何言ってるんですか?主様が私以外に食べさせることなんてする訳ないじゃないですか。』
『っ……。』
『主様は私のものです。他の誰にも絶対に渡しませんから。もし私から奪うと言うなら……。』
カチャ…。
『っ!』
私は短剣を抜いた。
『ミヤジ先生でも、他の執事の方でも……私は容赦なく壊します。』
『ラト君……。私は君を傷つけることはしたくない。』
『フフッ♪それって、私に傷をつけられると思ってる。ってことですか?余裕ですね、随分。』
『ラト君……。』
主の部屋。
『……。』
(私がおかしいのか、ラトがおかしいのか
分からない。主として私はどうすればいいんだろう。叱るべき?それとも寄り添うべき?
ラトの扱い方が…私には…っ。)
悩みに悩んで出る結末はあるんだろうか……。
その首筋に付けられた赤い痕に本人が気付くのはもう少し先…。
次回
THIRD LOVE 本気の愛と愛と愛
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!