テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#元カレ
まぁ
15,183
#nagiコン🐈⬛🩷
りー
251
latte
699
#学園
大正
5,257
コメント
4件
そうなんですよ! いろんな思いこめて書いたのでー!🤭 ならよかったですー!
うわあ、再会シーン、すごく良かったです……!「たった一歩の距離なのに、その一歩がこんなにも長く感じた」って冒頭の一文で、もう待ってた時間の重みが伝わってきました。ホームで電車が来るまでの湊くんの鼓動、すごく共感しました。そして「おかえり」「ただいま」のやり取り、シンプルなのに胸にじんわり来ますね。写真を撮る約束がちゃんと生きてるのも素敵で、離れてた時間が無駄じゃなかったんだなって思えました。四日間の夏、これからどうなるのか楽しみです!
第三十三話 再会のホーム
「たった一歩の距離なのに、その一歩がこんなにも長く感じた。」
七月下旬。
夏休み初日。
朝から蝉の鳴き声が響いていた。
湊は少し早く家を出る。
向かう先は、いつもの駅。
今日は、一年前とは違う。
「迎えに行くね。」
そう約束した日だった。
*
ホームには、
夏休みらしく旅行客の姿が目立っていた。
電車が到着するまで、あと五分。
湊はスマートフォンを開く。
《今着いたよ。》
紬からのメッセージ。
《こっちもホームにいる。》
返信を送ると、自然と鼓動が速くなる。
たった数か月。
でも、画面越しでしか会えなかった時間は、
それ以上に長く感じていた。
*
アナウンスが流れる。
電車がホームへ滑り込んできた。
ゆっくりと扉が開く。
次々と人が降りてくる。
スーツケースを引く人。
家族連れ。
友達同士で笑う学生。
その中に——
一人の少女がいた。
風に揺れる髪。
少しだけ大人びた表情。
でも。
笑った瞬間は、一年前と何も変わらなかった。
「神崎くん。」
その声を聞いた瞬間。
胸の奥で止まっていた時間が、一気に動き出した。
「……おかえり。」
湊がそう言うと、
紬は少し照れたように笑った。
「ただいま。」
*
しばらく、お互い何も話せなかった。
言いたいことはたくさんある。
でも、何から話せばいいのか分からない。
そんな沈黙を破ったのは紬だった。
「背、少し伸びた?」
「朝比奈も。」
「え、本当?」
「うん。」
二人は顔を見合わせて笑う。
その笑い方まで、どこか懐かしかった。
*
改札を出ると、そこには蓮と美桜が待っていた。
「紬ー!」
美桜が勢いよく駆け寄る。
「会いたかった!」
「私も!」
二人は嬉しそうに笑い合う。
「おい、俺は?」
蓮が少し不満そうに言うと、
「蓮も元気そう。」
紬が笑った。
「“も”って何だよ!」
四人は思わず吹き出した。
去年と変わらないやり取り。
その空気が、何より嬉しかった。
*
駅を出ると、強い夏の日差しが降り注ぐ。
「暑い……。」
紬が空を見上げる。
「向こうはこんな暑くなかった?」
「全然。」
「日本の夏って、こんなに暑かったっけ。」
「それだけ久しぶりってことだよ。」
湊が言うと、紬は小さくうなずいた。
*
歩きながら、湊はカメラを取り出す。
「約束。」
その一言で、紬は意味を理解した。
「最初の一枚だね。」
四人は自然と並ぶ。
誰かに言われたわけでもない。
でも、去年と同じ並びだった。
シャッターを切る。
カシャッ。
画面の中には、
去年より少し大人になった四人が笑っていた。
*
「今年の夏も、いっぱい写真撮ろう。」
紬が言う。
「うん。」
湊は力強くうなずいた。
離れていた時間は、消えない。
でも。
その時間があったからこそ、
この再会は特別なものになった。
📷 Photo.033『ただいま、おかえり』
撮影日:7月24日
「おかえり。」
「ただいま。」
その二つの言葉だけで、
離れていた時間は、優しい思い出に変わった。