TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「遅い」

イングランドの街中、息が白くなる様な気温の中潔の声はポツリと落とされた。

暖を取るために買った缶コーヒーにはほぼほぼ熱は残っていない。

アダムのことだ、どうせ道端にいた女の子を口説いているんだろう。

モデルの様な体型、サッカー上手で、その上顔もいい、欠点と言うのならば無類の女好きなことと言えばぐらいだ。

取り敢えず連絡だけは取ろうとスマホを取り出す。その時見下ろす様に目の前に陰ができた。

「アダム?」

顔を上げて目に映ったのは知らない顔2つ。

「君1人?ずっとここにいるけど、どうしたの?」

「人を待ってるんで」

あぁ、所謂ナンパというやつだ。確かに日系人だから幼く見えることもあるだろうが、そこまで童顔ではないだろ…

そう上の空でいると、手を掴まれ引っ張られる。

「どうせだったら、俺らと遊ぼうよ!寒いでしょ?ねぇ」

2人がかりで言いくるめる様に迫る

必死に抵抗しようにでも、2対1

力では俺が敵うはずもない。頭で理解した瞬間、恐怖が迫り来る。

「ヤバイ…どうしよう…」涙が滲んでくる

その瞬間、肩を掴まれ後ろへと引き寄せられた。俺より上背があり、安定感のある。

あぁ、いつも鼻に通る彼の香水の匂いがする。

「ァ、ダム…」「待たせた」

低いけど安心するその声、

急に現れたアダムに「誰だよ」と言い怒りを露わにする男たち。アダムは、鼻で軽く笑った後、声を低くし

「俺のツレだよ」

と言い放ち、俺の手を握って歩き出した。

止まったはずの涙がまた溢れてきた。

「遅い…」

「…悪かった」前を歩く大きな背中から小さくそう聞こえた。そして俺の手を温める様に握り直した。

loading

この作品はいかがでしたか?

40

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚