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──ああ、忌々しくて仕方がない。
たかが下女の分際であの癪に障る佇まい、不遜な物言い、蔑みの視線。
完膚なきまでに叩き潰してやりたいのに、気味が悪くてもう二度と近寄りたくない、毒虫のような女。
「あの王室の恥さらしの恋人だったとかいう、不気味な下女の首を即刻切りなさい」
気を失ったラインハルトの診察後、執務室に呼び出した侍女長にそう命じた。
しかし、返ってきたのは望む言葉ではなかった。
「恐れながら王妃殿下、シルヴィアは他の下女の十倍はよく働く娘です。王宮殿の勝手もよく知っておりますから、切るには惜しい人材かと」
なにをほざいているのか、この老婆は。
王位継承権がない庶子とはいえ王室に手を出し、あまつさえ王妃である私に向かって無礼を働いた下女を、このまま王宮殿に置いておけと？
虫唾が走り、それをぶつけるよう＊＊＊＊＊＊＊
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