電話を切って車に乗り込む最近、足を運んでいたジュエリーショップへ向かい、小さなペリドットがついたブレスレットを包んでもらう
翔太の家に向かう途中で、花屋に寄って頼んでいた花束を受け取った
淡い青色をしたブルースターの花と少し緑がかった白いお花のフランネルフラワーで作ってもらった可愛らしい花束だ
翔太の家の前まで来て、2つともを助手席の後ろに隠してから電話をかけた
今度はワンコールで弾んだ声が聞こえる
「もしもし!」
「翔太の家の前着いたよ」
「すぐ行く!」
宣言通り2〜3分で、キャップを深めに被った上に、さらにフードも被った翔太が足早に出てきて、助手席に乗り込んだ
「ごめんね翔太、1回帰ってたのに」
「ううん、俺のほうこそ」
「ちょっと移動するね」
「うん」
車を走らせて向かったのは、大型商業施設の屋上駐車場だ
階下にも駐車場が何フロアかあるからか、屋上に停められた車はほとんどないが、念のために端っこの方に車を停める
西側がひらけているから都心部の割に夕焼けがキレイに見える
今はちょうどマジックアワーだ
「夕焼けすごくキレイだね。こんなところあったんだ」
「いいでしょ、ここ。お気に入りなの。見つけてからたまに1人で来るんだ」
夕陽が沈んで淡く残る光の中で、翔太のキレイな白い肌がぼんやりと美しく光るのを見ながら、花束を差し出す
「翔太、これお花のお返し」
翔太はおずおずと受け取った
「あ、かわいい。ありがとう………あの、さっきのさ…えっと……」
「うん、返事しに来たんだ。だから、これも受け取って欲しい」
「へ?」
翔太の右手を取って、その掌の上にブレスレットの入った箱を置けば、ぽかんとした顔をしている
「開けてみて?」
「??……わ、キレイ……これ、ブレスレット?」
「うん。この石ねペリドットって言うの。パートナー同士の愛と幸せを象徴する石なんだって。キレイな緑でしょ?」
「うん………え、あの、「翔太」
何か言葉を紡ごうとする翔太を遮り、名前を呼ぶ
「っ、はい」
「好きです。ずっと大好きです。俺と付き合ってください」
「………ぇ………うそ」
「ほんと。…たぶん翔太が俺を好きになってくれたより、ずっとずっと前から、俺は翔太だけが好きだよ」
「………ずっと?俺だけ?」
「うん、ずっと。……翔太の気持ちも聞かせてくれる?」
「っ………………おれ、も、おれも、あべちゃんのことが、、す、、すき、です」
「嬉しい。じゃあ付き合ってくれる?」
「…うん」
「ありがとう」
「………うん………あべちゃん、これ着けて?」
体をこちらに向けて差し出してきた翔太の左腕にブレスレットを着けて、ぎゅっと手を握る
「はい、どうぞ」
「ん、ありがとう…ふふ」
ブレスレットを自分の顔の目の前に掲げて頬を緩ませる
嬉しさに輝く翔太の瞳と目が合い、自然とお互いに顔を寄せて、そっと唇が重なった
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ふぁー。カップル成立👏ありがとうございます😊