「このお花も意味があるの?」
あれから俺の家に戻ってきて、ソファで俺にもたれかかりながら話していた翔太が、可愛らしい上目遣いでこちらを見上げてくる
「そりゃ、もちろん。翔太が頑張って考えてくれたから、それに応えないと」
「なんてお花?」
「こっちの、翔太みたいにかわいいー、青いのがブルースター。こっちの端が少し緑の白い方がフランネルフラワー」
「んうぅ、はーにゃーしぇー」
かわいい、のところでぷにぷにの両頬をむぎゅっと軽く片手で挟んで揺らす
離せと言いつつされるがままの翔太は、俺の手はそのままに携帯を取り出して調べ始める
「ぶ、るー、しゅ、たー、は、にゃ、こ、と、ば」
「ん、幸福な愛、信じあう心、星の精…?、身を切る想い…」
手を離して俺と反対側の頬を撫でる
「俺的には最初の2つの意味合いが強めかな、翔太は星の精に見えるくらいにかわいいけど」
「もぅ、さっきから、そればっか」
少し赤くなった頬に軽くキスをする
「だって、本当にかわいいから。何年もずっと我慢してたんだから言わせてよ」
「……いいけど〜、、、恥ずい」
「ふふふ、ごめんごめん」
「、、もういっこ、なんだっけ?」
「フランネルフラワー」
「ふ、らん、ねる、ふら、わー……」
「いつも愛して、誠実、、なるほど」
「意味もそうだけどさ、青と緑にしたかったんだよね」
「あべちゃんは、ほんとそういうの好きだよね」
「これからもお任せください」
「ふふ、楽しみ」
頬を赤らめながらも素直に零れる笑みが可愛い
ずっと好きで、これ以上なんてもうないだろって思ってたのに、関係性が一歩近づいた翔太は、素直に甘えてくるから可愛くてしょうがなくて、また好きが溢れていく
「そういえばさ、あべちゃんさ、俺が好きになるより前からずっと好きって言ってたじゃん」
「うん」
「たぶん最初に好きになったのは俺が先だよ」
「……嘘だ、だって最近でしょ、翔太が俺を好きになったの。俺は6人だった頃からずっと好きだったもん。それで、みんなが、、、照も、佐久間も、ふっかも、翔太に失恋していくのをずっと見てたんだから」
「え、あの3人そうだったんだ」
「……翔太も、好きだった時期あったでしょ」
「…………よく見てるね」
「当たり前です」
「でも、たぶん、ほんとの意味で好きじゃなかった気がする」
「??」
「当時はわかってなかったけど、グループになる少し前からあべちゃんのこと気になってたんだ」
「それはまた、だいぶ前だね……」
さすがに俺も好きになったのはグループになって少し経ってからだ
「だから言ったじゃん、俺の方が先だって。……好きになったやつは何人かいたけど、なんとなくいつも、あべちゃんの顔がチラついてたんだ。」
「あべちゃんって俺とは全然タイプが違うじゃん。だから気になるのかな、くらいにしか思ってなかったんだけど。でも、ずっとそうだったから。最近になって、なんでなんだろうって、これはなんなんだろうって、ちゃんと考えてみたら、めちゃくちゃ目で追っちゃって、そっからどんどん、その、す、すきになっちゃって、なんかずっとそうだったんだなって思ったら腑に落ちたというか」
「うん」
「だから俺の方が先なんだよ」
「自覚なかったくせに」
「それは、、、ごめん」
「ふーん、でも、そっか」
「なに?………うわっ!」
翔太をぐいっと抱き上げて、膝の上に向かい合わせで乗せる
腰に手を回してぎゅっと抱きしめると、翔太はびっくりしつつも抱きしめ返してくれた
好きの長さで張り合ってくるのは、つまり、俺の方が好きだもん、って言いたいのだ
それでもってたぶん本人はそのことに気づいてなくて、それが可愛らしくて堪らない
「俺のことがだーい好きな翔太が可愛くて堪らないよ。翔太、大好き」
「なにそれ、自惚れんなし、、、ふふふ」
憎まれ口を叩きながらも、ぎゅうぎゅうと抱きついてくる
ようやく手に入った可愛い想い人を堪能しながら、夜は更けていく
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💚💙尊い。 わかる。💚ちゃん、可愛いより、かっこいいが強い。私も。