テラーノベル
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「…犯人はフルフェイスのヘルメットをしてましたが、私は正面からぶつかったので、顔は見えました。
…顔の特徴は、ええと確か、ヘルメット越しだったので、確証は持てませんが、瞳は黄緑色で、耳にピアスをしてました。
名前は…なんでしたっけ。見たことある紫色の花のピアスで。あと身長は、私より少し大きかったので…170cmくらいですかね。
それと、年齢は…10代半ばくらいの男の子のように見えました」
「子供!!???」
物怪さんが声を出して驚く。
ーそう。確かに私が見た彼は、子供だった。
司波さんが物怪さんの声の大きさに、しかめっ面をして話す。
「うるさい。子供が何を騒いで嫌がる」
「…おいテメェ。それは俺のことを言っているのか?」
「いつもそうだと言ってる」
「おい!今すぐ表出ろ!!
そして今度こそ俺はお前に勝つ!!!」
「はあ…」
枯柳さんがまた始まった…といった様子でがっくりと肩を落とす。
…心中、お察しします。
この事件が解決したら、枯柳さんにはゆっくり休んでほしいですね…と切実に願った。
「…二人とも?いい加減にしないか?ニコッ」
枯柳さんがいつもよりワントーン低い声で腕を組みながら話す。
…顔は笑っているが、目が笑っていない。
話に関係ない私でさえも少し、いやかなりの恐怖を覚える。
…司波さんも物怪さんも、この状況のヤバさを理解したようだ。
司波さんが物怪さんを睨んで、舌打ちしながら私に向き直る。
そんな司波さんの隣で、物怪さんが司波さんにアカンベーをする。
司波さんは気づいてはいるが、こんなガキにいちいちかまってられないというように、フル無視しながら話を戻した。
「…犯人は10代半ばの子供、だったな?」
「…ええ。私が覚えている限りでは」
「…なんで子供がそんなことを…。生活に困ってでもいたのだろうか?」
枯柳さんが意見を出す。
たしかにここ、斜目町には、ストリートチルドレンが多いと聞く。貧しい街だ。盗みでもしないと、彼は生きていけないのかもしれない。
「いや、その可能性は低い。俺が実際に犯人を見たとき、犯人が着ていた上着やズボンは新しいものだったし、体型的にもご飯を食べていないといった感じはしなかった。生きていくのに困っているわけではないんだろう」
「そうか…」
「うーん…。だめだ、わっかんねー!!!」
お手上げだと言わんばかりに、物怪さんが空を仰いだ。
さっきまでの勢いは一体どこへ行ったのやら…。
すると司波さんが、私を見つめていった。
「…なあ、神柴…。出会ってばっかで申し訳ないが、頼みがある」
司波さんが私に頼みとは。明日は雪でも降るのだろうか。
「…私にできることでしたら」
「感謝する。ひったくり犯を捕まえるのに、協力してくれないか?」
「それは構いませんが、協力とは具体的には?」
「俺達の調査に同行してほしい」
ネストの調査に同行…?私はただの一般人なのに?
「え!?マジで!?神柴は一般人だぜ?」
物怪さんも驚いて司波さんに聞き返す。まさに今私が思っていたことをそのまま代弁してくれた。
「ああ、マジだ。俺たちは犯人の顔を知らない。協力してもらった方が、早く捕まえることができる。
…それに神柴は、“一般人”にしては、かなりこういった事態に慣れているようだ。
その証拠に、最初を除けば、取り乱した様子がない。
犯人の特徴をしっかり記憶していたし、逃げた犯人を迷わずに追う度胸もある。
…これ以上ない適任だろう」
そう言って司波さんは、どうだ?というように少し意地悪そうに笑いながら、私を見る。
ー司波さんがあったばかりの人間にここまで言うなんて。私が何者かも知らないのに。
ーああそうか。きっと司波さんは気づいているんだ。
私がただの通りすがりの“一般人”ではないことに。
そしてきっと、そのことに気づいた私のことにも 気づいている(ややこしいw by主)。
その上で私に協力を仰いでいるんだ。
…嬉しいものですね。こうやって頼られると。
私の記録者時代に培ってきた経験も、役に立つのかもしれません。
「…ええ。いいですよ。私も、盗まれたものを取り返さないといけないので。犯人にお灸を据えてやりましょう」
「…フッ。じゃあ、決まりだな」
「…改めて、俺は『ホークアイズ』の探偵、司波仁だ。よろしくな」
「俺は記録者の物怪瑠衣!よろしくな!神柴!」
「私は記録者の枯柳杖道だ。よろしくな。神柴くん」
司波さんに続いて、物怪さんと枯柳さんも改めて、挨拶をする。
「…ええ。よろしくお願いします」
ー胸が、温かくなる。
私のことを忘れても、こうやって協力してくれる人がいる。
精一杯力になってあげたいっていえる人がいる。
頼ってくれる人がいる。
「…フフッ」
ーきっと今の私は、心から、本当にいい笑顔をしているのだろう。
ー心なしか、足の痛みも引いた気がした。
コメント
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わぁ、第14話「協力」読み終えたよ〜!!✨ 司波さんが神柴さんに調査同行を頼むシーン、めちゃくちゃグッときた😭💕「適任だ」って信頼感じるし、神柴さんの「胸が温かくなる」って心情がじんわりくる…!記録者の経験が活かせるって嬉しいよね🎀 物怪さんと司波さんのやりとりも微笑ましくて、チーム感が出てきた第14話だった!続きが気になる〜!!
ルナサ・オルシェ
181
莉白
1,452
56
ルナサ・オルシェ
25