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**寺島あおいです🤍** 第15話「希望」、読み終わりました。 瑠衣の「神柴のことをもっと知りたい」という言葉に、じんときました。自分は役に立ってないと思いながらも、それでも寄り添いたいと思う気持ちが真っ直ぐで…。そして神柴が静かに涙をこぼすシーン、すごく綺麗で印象的でした。紅茶の場面での4人の和やかな空気もとても好きです。仲間の絆がじわじわと育まれていくのが伝わってきて、心があたたかくなりました🍀
ー瑠衣sideー
「…ちなみにさー。神柴、興味本位で聞くんだけど」
俺はふと気になったことがあったから、神柴に聞いてみる。
すると神柴は、少し強張った顔をした。
何でだろ?と思ったが、別に気にも留めなかった。
「…何でしょう?」
「盗られたものって、何だったんだ?」
「………」
そう俺が聞くと、神柴は目線を下げて黙ってしまった。言おうか言うまいか、悩んでるように見える。
…しまった。聞いてはいけないことを聞いてしまったのかもしれない。
でも、俺がひったくり犯を追って神柴を通り越したとき、神柴の表情はだいぶ暗く、取り乱しているように見えた。きっと、ものすごく大切のものが盗られたんだと思う。
仁とおっさんも、神柴と一緒にいたから、その時の状況は覚えていたんだろう。同じような目線を神柴に向ける。
ーこんなことを聞いてはいけないのかもしれない。それでも、俺は気になった。
知りたかった。
俺は、《ホークアイズ》の中では、一番役に立っていないことを自覚している。いつも仁やおっさんの足をひっぱていることも。運動神経はいいほうだけど、それだけだ。
仁のようなすげぇ推理力なんて無いし、おっさんのような優れた洞察力もない。
そうだとしても俺はー
ー今の神柴に、寄り添ってあげたい。
ーそれが唯一、今回の事件で俺が、神柴にできることだと思うから。
気づけば、口にしていた。
「神柴のことを、もっと、知りたいんだ…!」
すると神柴は、驚いた顔をした。
「オレたち、短い間だけどさ、…仲間じゃん」
おっさんが少し笑って言った。「急に頼れと言っても難しいかもしれないですが…」
仁がいつものように目をそらしてぶっきらぼうに言った。「…仲間だからな」
そうか。こんな風に思っているのは俺だけじゃないのか。
おっさんも、不器用な仁だって、精一杯神柴に協力してあげようとしている。
そう思うと、胸があたたかくなった。
…やっぱ《ホークアイズ》はこうでなくっちゃな!!!
「…オレたちは、神柴の力になりたい」
「神柴の支えになりたい」
「神柴と、友達になりたい」
「…とも、だ…ち?」
そこまで言って、ハッとした。会って間もない相手のことを、急に『友達』と呼べだなんて。いくらなんでも図々しすぎる。仁やおっさんも同じことを思ったのか、少し呆れた目で俺を見つめている。おっさんなんて苦笑いだ。
こんの裏切り者ぉ…。
「ご、ごめん神柴!今言ったことは忘れt…」
謝りながら神柴の方に目線を戻すと、
ーーー言葉を失った。
ーーーポトッ。
ー神柴の顔から、あたたかいものが静かに伝っていた。
神柴は、静かに泣いていた。
酷いことを言ってしまっただろうか。
傷つけてしまったなら、謝りたい。
それでも、言葉は出ない。
ーーー綺麗だな。
そんな場違いな感想が、俺の心を埋め尽くす。
仁もおっさんも、俺と同じように言葉を失い神柴を見つめていた。
ーーー確信できる。
今この瞬間は、みんな俺と同じ事を考えている。
「…すみません。取り乱してしまって…」
神柴の声で、現実に引き戻される。
「あっ、い、いや別に…」
「嬉しくて…」
「…嬉しい?」
嬉しいって何だ?今の言葉の中に嬉しくなるようなものがあったのだろうか。
神柴は、袖で涙を拭いながら答えた。
「…ええ、物怪さん。とても、嬉しかったです。お友達になろうと言ってくれて…」
「…やっぱり物怪さんは、あの人に似ていますね」
「…あの人?」
誰のことだろう。しかし神柴はそんな俺の疑問には答えず、続けた。
「私の盗まれたものは、…お守りのようなものです」
「…お守り?」
「ええ。私の大切な人からいただいた…いえ、いただくことになってしまったものです」
神柴の言い方に少しばかり引っかかったが、聞くことはためらわれた。
それぐらい、今の神柴の表情は、…幸せそうであり、同時に少し哀しそうだったから。
まるで、お守りのことを自分以外の誰かに知ってほしいみたいに。
「…そっか」
そこで、おっさんが話を切り上げた。
「…さあ、もうじき暗くなる。夜ご飯にしよう。
神柴くんは、何か食べたいものはありますか?今は結構揃っているので、だいたいなんでも作れますよ」
優しい声だった。彼を気遣っているのだろう。
神柴は少し考えていった。
「でしたら、
…バインミーを食べたいです」
「…バインミー、ですか。たしかベトナムの代表的なサンドイッチ…でしたっけ?」
「ええ、そうです。私、好きなんですよ」
俺はその、ばいんみー?とやらを知らなかったので検索してみると、めちゃくちゃうまそうだった。
ただ、材料が結構マニアックだったので、事務所に揃っているかと問われれば無い気もする。…が、おっさんならなんとかしてくれるだろう(丸投げ)。
だって、今の神柴は、
ー最高に、いい表情をしている。
1時間後、おっさんがバインミーを作って持ってきた。それはそれは最高にうまそうだった。というかめちゃくちゃうまかった。
…くそ、ハンバーガーと同じくらいうめぇ…。なんか悔しいぞ…。
「とても、あたたかくて美味しいですね」
「気に入ってくれたなら良かったです。私も初めて作ったので、心配でしたが…」
「えッ!初めてでこの美味しさなんですか!すごいですね…」
「ふふ。ありがとうございます。仁と瑠衣はどうだ?」
「おっさん!これスゲェうめえよー!!!」
「…悪くない」
数十分後、食べ終わってソファーでまったりしてると、台所で神柴がおっさんに声をかけた。
足は少し引きずっているが、この調子なら、明日は大丈夫だろう。
「枯柳さん。この事務所に、ティーポットと紅茶の茶葉はありますか?」
「ええ。依頼人にお出しするものならありますが…」
すると神柴は、少し意地悪そうな顔をし、口に人さし指を当てて言った。
「なら、それを使ってもいいですか?私、紅茶には少し自信があるんです」
おっさんは一瞬ポカンとしていたが、すぐに笑っていった。
「構いませんよ。それならこの前町の人からもらった茶葉を使ってください。もらったものの、高級すぎて使えていなくて…」
おっさんはそう言いながら、戸棚からティーポットと、茶葉を取り出した。
「ありがとうございます。では、少し台所をお借りしますね」
「〜〜〜♪」
(めちゃくちゃ鼻歌歌ってんな…。
…紅茶か〜、楽しみだな!)
数分後、神柴はティーポットを持って戻ってきた。机にはすでに、人数分のティーカップ…もといマグカップが置かれていた(うちにティーカップはないからな)。
いつの間に。仕事が早いな。
神柴はとても綺麗な手つきで紅茶を注いでいく。見惚れてしまうくらいに。
「どうぞ、お熱いので気をつけてください」
「サンキューな!」
「ありがとうございます」
「…ありがとう」
各々礼を言って受け取り、紅茶を口に含む。
その瞬間、俺らに稲妻が走った(ような気がする)ー。
「な、なんだこれ!めっちゃ美味しい!!お店出せるレベルだぞ!!」
「心に染み渡りますね…」
「…美味い」
「「…え」」
おっさんと俺の声が重なった。
仁が相変わらずの仏頂面で聞いてくる。
「…なんだ」
「い、いつもは『悪くない』っていう仁が…」
「美味いって言ったぞ…!」
「…別に、そんなに驚くほどのことでもないだろ」
「おっさん…、明日の天気はきっと大雪だけど、オレたちで頑張ろうな…!」
「ああ…、一緒に生き残ろう」
「おい」
すると、それまで見守っていた神柴が笑っていった。
「私の紅茶が好評なようで、嬉しいです。みなさんが、そうやって笑いあえるくらいには」
3人で目を合わせて、笑った。
なんだかおかしかった。しばらくの間、笑っていた。
…新生《ホークアイズ》も、最高のチームだ!!!
笑い終わったあと、おっさんが言った。
「では3人とも、あとは私が片付けておくから、もう休みなさい」
「いえ!私が片付けm…」
「気にしないでください。もうお疲れでしょう。今日はいろいろなことがありましたから」
「…では、お言葉に甘えて。ありがとうございます」
「…というか私って、ここに泊まる流れですか?」
「そうですね、明日の朝から調査ですので。そっちのほうがいいと思います。…ひょっとして、嫌でしたか?」
神柴が慌てて返す。
「いえ!全然そんなこと無いんですけど、迷惑かなって…」
「気にしなくていーよ!うちは全然迷惑じゃないから!ていうか神柴は大丈夫なの?仕事とか」
神柴はにこやかに俺を見て、言った。
「それについては気にしないでください。私今無職なので」
「あっ…ソウナノネ」
(また墓穴ほったー!俺の馬鹿ー!)
「…泊まっていったほうがほうが明日の調査に支障もないだろ。俺たちも泊まるしな」
(仁、ナイス!え!てか俺たちも泊まるのか!まあそうだよな…)
「…ではそうさせてもらいます。ありがとうございます」
そのあと俺たちは、風呂やら歯磨きやら明日の調査についての事を話すやらして寝る準備をした(細かいのでオールカット☆)。
「申し訳ないが、神柴くんはソファーで寝てもらってもいいですか」
おっさんはそう言いながら、毛布を渡す。
「全然問題ないですよ。ありがとうございます」
神柴は礼を言いながら、毛布を受け取る。
気づけば時間はもう時間は23時を回っていた。
「ふわ~あぁ」
(オレも今日は疲れたな…もう寝よう)
俺の欠伸を察してか、おっさんが言った。
「明日もあるし、もう寝ようか」
神柴も答える。
「そうですね。おやすみなさい」
「…おやすみ/おやすみ〜/おやすみなさい」
オレは自分の部屋に向かい、ベッドに寝転がった。
(明日も頑張ろ!神柴のためにも…)
そう決心し、オレは眠りについた。
このときの俺は知らなかった。ただのひったくり事件が、まさか、ここまで大事になるなんてー。
投稿遅くてごめんなさい!文量いつもより多くしたから許してください!ではまた次回、お会いしましょう!
ルナサ・オルシェ
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莉白
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ルナサ・オルシェ
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