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「おはようございます!!」
いつもと変わらない朝。自分でも誰だか分からないくらいの甘ったるい声。
事務所には…いつもと変わらない店長の姿。他には誰もいない。
…これはチャンスなのかもしれない。今日こそはちゃんと言わなきゃ。
さっと謝る。ただそれだけ。簡単じゃない。
「あ、ああ。おはよう。藤塚さん。」
「……………」
「……………」
ぎこちない沈黙。店長も、何か言いたそうな表情だ。
「……あの、藤塚さ…」
「あっ…あー!!私今日掃除当番でした!!では、今日もよろしくお願いします!!」
反射的に身体を背けると、事務所をあとにする。…いや、あとにしてしまう。
「……はあ。」
ごみ袋を両手に持ち上げるのと同時にため息が自然と溢れる。
無意識だった為、自分でも驚いたが徐々に誰かに聞かれてないか心配になり、辺りを見渡す。
こんな時でも周りの目を気にする姿勢が身に付いてることに、我ながら感心する。
あれから1週間がたつ。私と店長は未だにこんなぎこちない関係が続いている。
姫菜に自分の気持ちを気づかされ、何をすべきか分かり始めたのだが、言葉にするのは簡単だと思い知らされた。