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#普通
野々さくら
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芙月みひろ
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#ざまぁ
まぁ
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#謎解き
井川奎
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小学六年生になってしばらく経った頃、鈍い私もようやくこの異変に気付いた。
『絶対それって、綾香のこと好きってことじゃん!』
『えぇー! そっかなぁ。それでなんだけど、明日……。あ、ううん』
給食当番が終わり、盛り上がっている綾香と伊織の元に戻ると、一気に下がっていくテンション。
三人でいる時は学校のハナシとか、面白いテレビとか、私が話す本について「うんうん」と聞いてくれたけど、明らかに私がいない時の方が楽しそうに笑っているように見えた。
聞かなくても分かる。綾香が同じ委員会の、隣のクラスの男子を好きになって、伊織がアドバイスしてあげていたこと。
私には相談しないのに、伊織にはするんだ……
まあ今考えたら、私を踏まえて相談しても、「え、恋愛とか早くないっ?」とか言い出してノイズにしかならなかっただろうし、綾香の気持ちをしっかり聞いてアドバイス出来る、伊織だけにしたのも納得だった。
だけどさ。
『……あ、おはよう、文!』
朝の登校時に待ち合わせ場所に行くと、二人は一瞬表情が曇って、作った笑顔を向けてくる。
もっと二人で話したかったのに。
そんなオーラみたいなものを感じ取った私は、地面に足がつく感じがしなくてどうにも居心地が悪かった。
運動会が終わった頃、綾香が隣のクラスの男子と付き合うことになったみたい。
だけど私には何も言ってくれなくて、二人は時折耳打ちをしてナイショバナシをしたかと思えば「キャアー」と声を上げて、互いを小突いて笑うようになっていた。
気付けば二人はお揃いの色付きリップを光らせ、風が吹けば同じシャンプーの甘い匂いを舞わせ、鼻を突いてくる。
可愛い系の綾香は、白いふわっとカーデガンに膝丈スカート。元気系の伊織は、ピチッとしたTシャツにゆるいズボン。
服装せいか、身だしなみのせいか、友達二人はいつの間にか同じクラスの子たちと溶け込んでいた。
綾香も伊織も、私を追い出そうとはしない。三人でいる時は私に合わせたハナシをしてくれて、三人グループの鬼門、二人一組にならないといけない時も、順番に別のグループの子とペアになるように調整してくれた。
だけどやっぱり、違うんだよね。
ノリって言うのかな? 高学年になってから合わなくてなっていた。
五年になるぐらいまでは、活発な伊織、控えめな綾香、その中間ぐらいのポケッとしている私の三人で、ちょうど良かった。
伊織が遊びにいく提案に段取りをして、綾香が無謀な計画を精査していって、それで少し空気が悪くなると私が抜けたこと言って、笑っていくうちに話がまとまって。遊びも、学校でのことも、ちょっとした問題も解決出来て、上手くバランスが取れていた。
だけど、私の抜けっぷりが許されるのはせいぜい中学年まで。
女子の目はシビアになっていき高学年になると、私はクラスで一人浮く存在となっていた。
綾香と伊織の二人だけの時は、クラスの女子に話しかけられていたのに、私が戻ると「じゃあ、また」とか言って、途端に離れていったから。
私がいると、クラスで浮くグループになって二人はイヤだったよね。
そんな私の存在が恥ずかしかったよね。
そのことに気付いたのも、もう少し後のことだった。