💛「おはよう、康二」
まさか俺にバレてるとも知らないで、照兄はいつも通り俺に笑顔を向けた。
ダンスの練習日。ライブも近い。今日はしょっぴーも来るはず。少しずつメンバーが増えて来て、しょっぴーは最後に現れた。
💙「ごめん、遅くなった」
いつもなら一言声を掛けて、抱きついたり触ったりするところだが、そういう気分にはなれない。あの髪も身体も唇も全部照兄に触られているのだと思うとやりきれなかった。
気もそぞろで練習に参加し、何度も振りを間違える。フォーメーションをミスって、舘にぶつかりそうになり、練習が止まってしまった。
💛「康二、たるんでるぞ」
普段はそんなこと言わないのに、照兄の俺への当たりがいつもよりきつい気がして、俺はつい泣いてしまった。
❤️「泣くなよこんくらいで」
舘が驚いている。
泣くもんかと思えば思うほど、涙は止まらず、練習が一時中断になった。
照兄が来て、俺の頭を抱え、優しく慰めようとして来たのを力任せに振り払った。
照兄は驚いて、少し傷ついたような顔をした。
本当は繊細な人だって知ってる。俺の様子を心配したしょっぴーが近寄って来た。
そんな動きすら示し合わせたように感じてしまい、俺はめめの後ろに逃げた。
🖤「俺が話して来ます」
💛「頼むな」
照兄は最後まで俺から目を離さなかった。
コメント
2件
康二の泣きって、結構ツボです。