水の音で目を覚ます。
体を起こせば激しい痛みが体をはしる。
「ここ…何処?」
辺りを見渡しても岩しかない。
「お家…帰ろう…。」
ぼーっとした頭でふらふらと歩き始める。
草木一本生えていない洞窟を歩きはじめる。
光が見える。
出口…だ。
「お家…」
出口の穴を抜け、森を抜ける。
知ってる森、知ってる匂い。
自然と足が早くなる。
何回も躓きながら走る。
暖かい家に向かって。
「お、お父さん!お母さ…」
着いた家の窓から中を覗く。
中にはお父さんとお母さんと…
『知・ら・な・い・子・ど・も・が・い・た・。』
「やっぱりあの子を捨ててよかったわ!」
「あんな奴より、お前の方が優秀だしな!」
「ありがとう!お母さん!お父さん!」
「…誰?あの子…?」
私は頭を鈍器で殴られたようなショックを受けた。
何で?どうして?お父さんとお母さんの一番は…私じゃないの?
何で?
何で?
何で?
何で?
何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?
そこで私の意識は途絶えてしまった。
次に目を覚ましたときには周りは血まみれで、私は片手に斧を持って立ってい た。私の下には頭が割れたお父さんとお母さんと、知らない子。
もう一度斧を振り上げて叩いてみる。
小さい悲鳴があがる。
私はそのまま全員が息絶えるまで殴り続けた。
フクロウの声が聞こえる。
虫の声が聞こえる。
私はそのまま斧を持って外に出る。
ズルズルと音が響く。
「フフ、アハハハハハ!!!」
私の高笑いが街に木霊する。
そのまま私は街へと、繰り出した。
〜冥闇の滝〜
作者
〜じゃぱまう〜