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らいむ②
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#考察どうぞ
ゆりかご.
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『好きなんです』
私、羽場美亜には好きな人がいる。それは同級生で同じクラスの鈴本有栖くん。かわいくて、かっこいい。有栖くんは、自分の名前をコンプレックスにおもっている。運動神経がよくて、でも少しおバカさんで…皆に囲まれていて、とっても明るい存在。にかっと太陽のように笑う有栖くんに私は心を撃ち抜かれた。いわゆる一目ぼれである。
二ヶ月に一回の席替えの日。私は見事有栖くんの隣を勝ち取った。『…よろしく』緊張しながらも有栖くんに話しかけた。『うん。よろしく』と優しく返してくれた。それだけで私の胸はいっぱいになった。自分でもチョロいなと思う。
隣の席になってから有栖と触れ合うことが多くなった。一緒に移動教室に行ったり、お喋りしたり、ついにはお互いの家を行くほどまで。お母さんはあまりいい顔をしなかったけど。
放課後、委員会の仕事を終えるころには辺りは真っ暗になっていた。そのとき、私は教室に宿題のプリントを置いてきたことを思い出し、急いで取りに行った。真っ暗な廊下を急ぎ足で歩いていると、ふと明るい、電気のついた教室を見つけた。私のクラスだ。気になって恐る恐る覗く。明るい教室のなかには、有栖だけがぽつんと立ち尽くしていた。『有栖?』私に気がつくと有栖は勢いよくこちらに首を向けた。『…あ。美亜。何してんの?』『こっちのセリフ。』『そうだよね。』ははっと笑うがなんだか、いつもより元気がない感じがした。有栖の近くまで行くと、目が赤かった。『…話聞くよ』ぶっきらぼうに言いながら、席に座る。『…そういうとこ』ふふっと笑うと隣に座った。『…で。なんかあったの』言葉に詰まったように俯いたが、呼吸を整えて顔を上げた。『…おれ、自分がわかんなくなっちゃっうんだ。おれっていう存在が。有栖が。』私は何言ってんだろと思ったが口にはしない。ただ有栖の真剣でうるんだ顔をじっと静かに見つめて次の言葉を待った。『おれっておかしいんだよ。ほんとに、おれのことが好きなやつなんて…いるのかな』『いるよ』間髪入れずに口を挟んだ。しまった。と口を閉じた。有栖は驚いた様に顔を上げた。『…ぁ〜えっと。少なくとも、この学校のやつらは有栖の事好きだと思う…から』どんどんとゴニョゴニョと話していく。何言ってんだ!と心の中で叫ぶ。『…そっか…。ありがと。おれ…美亜と友達でよかった。最高の親友。』『…うん』友達、か。
その帰り道は、やけに涼しくて、やけに心臓が早かった。『…涼しいね』『…うん』静かだ。私は先ほどの言葉が忘れられない。友達、親友。この関係が壊れるくらいなら…いや、だめだ。好きなのに一生友達なんて。いやだ。私は立ち止まった。有栖は数歩歩いてから、立ち止まっている私に気がついた。『どうかした?』『…すき』『…おれも』ヘラっと返してきた。私は真剣なまなざしを向けると、有栖はぎょっとしていた。『恋愛的に。好きです。優しいところ も明るいところも、少し抜けてるところも。全部全部大好きです。付き合ってください。』私は頭を下げて右手を差し出した。古典的すぎた。私は顔が赤いのを隠しながら震える手を収めない。『…ぇ。おれ。?なんで。』声が震えている。『こんな、気持ち悪い。おれに…。』その言葉を聞いて顔を上げる。『気持ち悪くなんかない。私は有栖が好き。見た目とか性別とか関係ない。女でもいい。私は、有栖のそのままが好きなの』言い終わるころには有栖は泣いていた。『…ありがと、美亜ちゃん…おれ…いや、あたしも好き、っ』ばっと抱きつく。二人でわんわん泣きながら抱き合った。有栖くんでも、有栖ちゃんでも、私はどうでもいい。私が好きなのは有栖自身なんだから。
『絶対に幸せにするから』
コメント
1件
「有栖くん」じゃなくて「有栖」って呼び捨てにしてるところ、美亜の距離感めっちゃ好きだわ。しかもあの告白シーン、震える手を引っ込めないで差し出し続ける強さ、最高すぎる。それに「気持ち悪くなんかない」って真っ向から否定した言葉、めっちゃ刺さった。最後の「絶対に幸せにするから」で泣きそうになった。この2人、絶対幸せになってほしいから、続きが待ち遠しい🔥