テラーノベル
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朱雀視点。
ある日から、
とある部屋に違和感を持つようになった。
誰も使ってない。
何の用もない部屋なのに。
廊下を歩いていても、
何かがあそこにある気がする。
何かがあそこに居る気がする。
そんな感じ。
角を曲がって、ちらっと見えた。
せいめいくんがあそこへ行くのを。
僕も着いていこうと思って、部屋の前に来た。
襖。
ぴたりと閉ざされている。
襖に手を掛けた。
なのに、手に力が入らない。
腕が動かない。
ただの部屋。
なのに。
せいめいくんの仕業か。もしくは雰囲気か。
開けてはいけない。
そんな空気がある。
でも、それ以降もせいめいくんは
ちょくちょくあそこへ通っている。
もう、その時点で薄々気付いている。
何も無い部屋ならば、通う理由もない。
耳を澄ませると、
部屋の中からたまに、
───ハルアキ
そう聞こえてくる。
せいめいくんは、あそこに何かを隠している。
ハルアキというものを隠している。
夜。
廊下を、足音を殺して進む。
迷うことはない。
昼間、目にした違和感。
あそこの部屋だ。
せいめいくんが何かを隠している場所。
襖の前で、足を止める。
静かだ。
でも、
耳を澄ませばとある音が聞こえる。
安らかな、
呼吸の音がした。
襖に手をかける。
音を立てないよう、ゆっくりと。
襖を、開ける。
………暗い
月明かりが、わずかに差し込むだけの部屋。
その中に、ひとつの影。
眠っている。
規則正しい呼吸。
力の抜けた身体。
ただの人間の、それだ。
これが、ハルアキというらしい。
近づく。
違和感の正体。
見た目は、せいめいくんと丸っきり同じ。
でも。
『……違う』
ほげ
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2,370
腐ってて何が悪いですか?
2,417
#安倍晴明
ほげ
20
よく目を凝らせば、それは分かった。
同じではない。
1番大きな手がかりは、服装だった。
見慣れない、白い上服と黒い下服。
赤い何かを首元に巻いている。
そして、右手にはまる数珠。
じっと見下ろす。
起きる気配はない。
無防備だ。
ここで何かすれば、
簡単に壊れるだろう。
でも。
『……まぁ、いっか』
手を伸ばしかけて、止める。
壊す意味がない。
今はまだ。
『……不思議な人だ』
せいめいくんが隠す理由が分かった。
瓜二つの顔。
見慣れない服装。
外に出せば注目の的だ。
だから閉じている。
閉じ込めている。
『……なら、そのままにしておくよ』
この存在を知った。
でも、言わない。
せいめいくんが隠すんだから、
僕がわざわざバラす必要もない。
最後にもう一度だけ、
眠るそれを見た。
最終的にはこの子を、
どうするんだろうね。
この子はせいめいくんを、
どうする存在なんだろうね。
少しだけ、興味が湧いた。
音を立てずに、襖を閉じる。
何もなかったように
コメント
3件
朱雀視点は神すぎる!
うわあ…朱雀くんの視点、すごく新鮮で引き込まれました。せいめいくんが通う使われていない部屋、その違和感から始まる静かな探索劇。同じ顔でありながら「違う」って見抜く瞬間のぞくりとしました。服も数珠も、そしてあの無防備な寝顔…壊せたのに壊さない選択をする朱雀の距離感も絶妙で。最後の「どうする存在なんだろうね」がずっと頭の中に残ってます。ますます物語が気になりました!🌙