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何故か減った気がする書類を片付けていく。いや、というかごっそり持っていかれている気がする。かといって誰かが入ってきたら俺の方に連絡が来るようになっているはず。ならない人物と言えばグルさんか?いや、グルさんは自分の分も出来てへんし持っていくはずない。じゃああとは__と考えていると、部屋がノックされロボロの声が聞こえて来た。
「入ってええか?」
「どうぞ。」
それだけ聞いて入ってきたロボロの手には大量の書類が乗っていた。それこそ渡した覚えがない程の。そしてその書類は減ったような違和感があった場所にすっぽりとハマった。
「まさか、ロボロ、、、。」
「ほな。」
俺の言葉も無視し、ロボロは自室に帰っていった。つまりロボロは俺の分までやってくれていたと言う事だ。本当にありがたい。そう思いながら俺はそれらを確認していく。
ロボロは、正直初めてこの軍に入って来た時から他とは少し違った。その違和感に気付いていたのは俺だけだと思う。どこか冷たくて、どこか他人のような、そんな奴だった。ただ仕事をさせてみれば、ロボロが考えた作戦はすべてうまくいっていたし、指示もうまく今は司令官をしている。資料も完璧にこなすし、戦闘も強かった。おまけに嘘もうまく周りに気づかいまでできる。我々軍の幹部有力候補にいた奴をロボロが殺したときはスパイかと思ったけど、証拠付きでそいつが敵国のスパイであることまで証明してきた。本当に完璧人間だった。ただ少し、何か違和感があっただけ。俺達とは違うような、違和感。それも一年経つとどんどん変わっていって、今のロボロが居る。
そんな昔の出来事を思い出しながら、書類を全て確認し終わる。完璧。ミス一つない。そしてまた自分の仕事に戻ろうとした時、一つの封筒と俺の文字で書いてあるメモ用紙を見つけた。俺が計画した流星群の日の計画表、、。さてはあいつ見たな?と思いつつ封筒を開けると大量のお札と手紙のようなものが入っていた。
「トントンへ。
あんまり自分一人でやろうとするような内容ちゃうで?ほんま無理せんといてや?
後お金は受け取ってくれ。使い方わからへんからめっちゃ余っとんねん。今使って経済まわしてくれ。」
そんな端的な内容。ほんまに凄い気づかいやなと思いつつ。ありがたく頂戴することにする。アイツ怖い奴やから、一回返したら倍の値段にして、知らんうちに俺の引き出しに入れてくんねんな。そう思いつつしっかりそれを保管する。正直怖くてなんぼ入っているかは見ていない。でもあいつが皆のためにと用意したお金や。きっちり流星群の計画に使おう。そうしてまた俺は書類に取り掛かった。
あの封筒にはなんぼ入れたっけ?そう思いながら自分の部屋に帰る。ざっと700万は入れただろうか。本当に使い道がなくて困ってたから今回はかなりありがたい機会だ。そして自分の部屋の前に着くと俺は言葉を発した。
「誰や?ストーカー行為されるようなアイドルでもないんやけど。」
冗談交じりの言葉にそいつはただ無言を貫いていた。
「無視は酷ないか?」
そう言って振り返ろうとした一瞬、耳元で
「もう流星群にはかかわらないほうがいいよ。」
と聞こえて来た。その言葉は無視して、俺は自分の部屋の中に入った。
あれから早2か月。つまり11月だ。とにかく寒い。そう思いながら俺は幹部たちの休憩所のような場所に向かう。そこにはすでに何名か先客が居て、談笑しているようだった。
「ようロボロ。」
初めに気付いた鬱先生は入ってこいと言わんばかりに、手を二回ほど仰ぐ。俺はそこに入って第一声に
「お前ら資料終わったん?」
と聞いた。実は来月のために今できる資料は全員分配られているのだ。そして今ここにいるメンツは、鬱先生、グルさん、さらには内ゲバをして資料を増やされたゾム、シャオロン、コネシマ。終わってんな。と思いつつ机を見ると、皆資料を持っていた。あれ?と思ったその瞬間、皆はニヤッという顔をして
「資料終わるまで出て行ったらあかんって言われた。」
と弱々しく言うのだった。なるほど理解。だからこの部屋の前にトントン直属の部下が居ったんか。2人も。そして俺は一度自分の部屋に帰る。机の上を見るが書類は無かった。そのため、トントンの部屋に侵入しトントンの書類を少しかっさらっていった。そしてまたみんなの元に戻ると、俺も書類を始めた。皆はニヤニヤして
「あれぇ~ロボロさ~~ん?資料終わってないね~?」
「てか俺達より多くね~?」
と煽ってきたので
「俺の分は終わっとる。これはトントンの分を手伝ってるだけや。」
というと、全員ダメージを受けたようだ。精神に。
まぁ分かっていたが、と俺は思いつつ大先生にやり方を説明していた。どうせわからないことは俺が説明しなければいけないんだろうと思ってきたわけやし別にあかん訳ちゃうねんけどな。と思いつつ、俺は皆の書類の出来てなさに頭を抱える。いつもどうしてんねん。と質問すると、「相方が助けてくれてる。」とか「できてる人に聞いてる。」とかかえってきた。いや可哀想すぎるやろ。と思い俺は後でやり方まとめを作ることにした。
気が付けば時間が経っていて、全員書類も終わっていた全員解散していって、やっとかと思い俺も部屋に帰ろうとすると、服の裾を誰かが引っ張った。其方を見ると、大先生が居て、きゅるるんとした目で追加で書類を出してきた。最早キモイという感情も出なくなってきた。俺は頭に手をあて、「はぁ。」とため息を吐くと
「後で皆にやり方まとめたやつ渡すから待っとけ。」
と言った。そしてそのまま部屋に帰っていった。