テラーノベル
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※またR18です。あまりお上品ではありません。
あの人が好きだ。
それを自覚し始めたのはもういつ頃の話だろうか。
力強いタトゥーの入った腕。
筋骨粒々な体。
カタギや組の仲間を何よりも大事にする心。
叩き上げられた強さ。
あの人の何もかもが刺激的で、俺はすぐに心を奪われた。
―あの人に触れられたい。そして、二度と手放せなくなってしまうぐらい、この体を汚してほしい―。
いつしか、そんなことまで考えるようになった。
あいつが好きだ。
それに気付いたのはもういつ頃の話だろうか。
艶やかな緑色の髪に、整った顔立ち。
筋肉質ながらも白く細身な体。
舎弟でありながら大人びていて、声にも色気がある。
その全てが気になって、片時も忘れられない。
―あいつに触れてみたい。声が聞きたい。全てを俺のものにして、誰の目にもつかないようにしてやりたい―。
こんなことは、考えちゃいけねぇのに…
伊武「うぅ…きも、ち…わるい…」
飲み会の帰り、俺はすっかり酔いきってしまった伊武を半ば抱えるようにして帰路に着いていた。
龍本「だから飲みすぎだって言ったんだよ、少し休め」
伊武「ん…すみません、兄貴…」
伊武が俺を見上げる。顔が火照っていて、耳まで赤い。若干、目も潤んでいるようだ。
龍本(…何で、そんな顔すんだよ)
今の俺からすれば、誘っているようにしか見えない。こいつの何もかもが可愛らしくて仕方がなかった。
―ポツン。
頭に冷たいものが当たった。それはあっという間に勢いを増して、俺達の頭上に降り注ぐ。
龍本「…ッ、こんな時に…!」
どこか建物はないかと、辺りを見回した。前方右斜めに現れたものを見て、俺は絶句する。
龍本「嘘だろ…」
まさかラブホテルで雨をしのぐことになるとは思っていなかった。でも、近場がここしかなかったのだから仕方がない。
龍本「伊武、大丈夫か?」
俺はベッドの方を見やった。
伊武「…ありがとうございます。お陰様で、何とか…」
こうは言っているものの、まだ顔が赤い。目の潤みもとれていないみたいだった。
伊武「…あの、兄貴…」
しばらくの沈黙を経て、俺にお呼びがかかる。それに答えるようにベッドに乗ると、俺は伊武と向き合った。
龍本「どうした?」
伊武「えっと、その…」
自分で呼び出しておきながら、伊武は俺から顔を背けた。本来ならば訝しく思うんだろうが、俺にはそれすらも愛らしく思えた。
龍本「ちゃんと言うまで、離れねぇからな?」
伊武の顔を覗き込もうとした。しかし、それより先に伊武が震えた声で話し出す。
伊武「…龍本の兄貴」
俺の手を取ると、自分の胸に当てる。柔らかな服の素材の下から、胸筋の感触や鼓動が激しく脈打つのが感じられた。
伊武「今まで隠してきたんですけど…俺…ずっと、あなたのことが好きだったんです」
俺は心底驚いた。俺以外に男を好きになる奴なんていると思ってなかったし、ましてや俺を好きになる男がいるなんて、考えたこともなかったから。
龍本「…俺に、どうしてほしいんだ?」
実を言うと、薄々感づいてはいた。それでも、俺はこいつの口から直接聞いてみたかった。
伊武「付き合ってくれなくても、俺のことを好きになってくれなくてもいい。…だから、その…今日だけでいいから、抱いてほしいんです。どうしても…兄貴の手で気持ちよくなりたくて」
頬から耳にかけて赤く染めたまま、俺の目を誘うように見つめてくる。
伊武「駄目…でしょうか」
恥ずかしさからか、伊武の潤んだ目には涙がたまっている。俺の耳から顔全体にかけて一気に熱くなっていくのが分かった。
鼓動が早くなる。二人の視線が交わる。
気が付くと―俺は伊武を押し倒していた。
龍本「ッ…お前、俺にそういう顔したからには、後悔すんじゃねぇぞ?」
伊武「んぅッ//はぁッ…!はぁッ…!」
龍本「まだへばるんじゃねぇぞー。極道がそんな非力でどうする」
俺は世話しなく呼吸を続ける伊武の口に指を突っ込んだ。
伊武「はぁ//んんッ…!!あ”ッ//」
龍本「お前は口が弱ぇんだな。…じゃあ、キスとかしたらどうなるのかねぇ?」
俺は意地悪っぽく笑って口から指を抜くと、今度は舌を流し込んだ。
伊武「あぅッ//ふ…んむッ//はぁッ//」
少し動かしてやればクチュクチュと卑猥な音がする。
そのまま数分くらい弄った後、俺は糸を引きながら舌を抜いた。
伊武「かはッ…はぁ、はぁ…」
龍本「おいおい、まさか終わった気でいんのか?」
伊武「えっ…?」
俺は伊武のナカに挿れると、その奥を思いっきり突いた。
伊武「あ”あ”ッ!!//いッ、いやだッ!!!//お”かしくな”るッ!!!//」
刺激と快楽に耐えられず音を上げる伊武。俺はその耳元で言い聞かせるように囁いた。
龍本「そう言う割には、体が正直だなぁ?伊武」
伊武「あぁっ…」
俺は構わずに奥を突き続けた。
龍本「嘘をつくなんて、いけない子だなぁ?」
伊武「んぐッ//はぁ、んんッ//あ”ッ///あぁッ//」
ゴチュッ…グリュ…クチュクチュ、コリュ…
聞くに堪えない音が一層強く聞こえる。
伊武「もう…駄目ッ//イきそう…ッ!!!イッちゃう…!//イッちゃうぅッ…!!!//」
龍本「イきそうか?だったらイかせてやるよ」
俺は更に激しく動かす。
伊武「あ”うぅッ!!!あッ//はぁんッ!//」
龍本「ッ…」
伊武「あ”あ”ぁぁぁぁッ!!!////
ッは…あぅッ…ッはぁ、ッはぁ…」
絶頂を迎えて、伊武の体から力が抜ける。そのままベッドに沈み込む。その顔は熱があるかのように真っ赤で、目からはしきりに涙を垂れ流していた。
龍本「…なぁ、伊武」
伊武「んッ…!」
俺が背中から抱きしめてやると、伊武の肩がビクッと跳ね上がる。行為をしているうちに全身が敏感になってしまったみたいだ。
龍本「ほんと、可愛い奴だなぁ」
伊武「…兄貴の、えっち…!」
そう言い残すと、伊武は眠るように気を失った。
龍本「…あぁ、俺も言っておけばよかったな。」
―俺も、お前が好きだ―。
…まぁ、今宵の出来事を思い返せば、言うまでもないだろう。それでも、言葉はきちんと口にしないと、相手には分からない。
明日、必ず言おう。
密かに決意した俺は、静かに眠りについた。
コメント
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最高🥲🥲