テラーノベル
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深夜のリビング。
テーブルには食べかけのピザ箱。
ソファでは、エリオットがチャンスの肩にもたれたまま眠っていた。
金色の長い髪が少し乱れて、
天然パーマの毛先がチャンスの首にくすぐったく触れる。
静かだ。
さっきまであんなに挑発して、笑って、
ネクタイ引っ張って、
からかっていた男とは思えないほど――
無防備な寝顔。
チャンスはじっとその顔を見つめた。
(……こいつ、ほんとに寝てんのか)
エリオットの呼吸はゆっくりで、
手はまだチャンスの手を握ったまま。
指先が少し温かい。
チャンスは小さく息を吐いた。
「……反則だろ、それ」
誰も聞いていない声。
エリオットの髪を、
指でそっと整える。
起きない。
少しだけ顔を近づける。
頬にかかる金髪をよけて、
そのまま――
軽く、頬にキスした。
触れるだけの、
ほんの一瞬のキス。
チャンスはすぐ顔を離す。
「……はぁ」
自分で自分に呆れたように笑う。
「寝てる相手に何してんだよ、俺……」
その時。
肩に乗っていたエリオットが
小さく動いた。
チャンスは少し体を固くする。
でも――
まだ眠っているようだ。
「……」
チャンスはもう一度だけ、
今度は額に軽くキスした。
その瞬間。
ぱち。
エリオットの目が開いた。
「……へぇ」
小さく、面白そうに笑う声。
チャンスの心臓が止まりそうになる。
「な……」
エリオットはまだチャンスの肩に頭を乗せたまま、
にやっと笑った。
「今、何してた?」
チャンスが固まる。
「寝てると思ってた?」
チャンスの顔が少し赤くなる。
「……お前」
エリオットはゆっくり体を起こした。
そしてチャンスの顔を覗き込む。
「ねぇ」
くすっと笑う。
「もう一回してみる?」
挑発するような声。
ゆゆゆゆ
#Paycheck
ゆゆゆゆ
#Paycheck
さっきまで寝てたとは思えない目。
チャンスは目を細める。
「……お前、いつから起きてた」
エリオットは少し考えるふりをして――
「最初のキスの前かな」
チャンスの眉がピクッと動く。
エリオットは楽しそうに笑う。
「顔近づけてきたとこから全部見てた」
チャンスが片手で顔を覆った。
「……マジかよ」
エリオットはまた肩にもたれかかる。
「でもさ」
少しだけ声を落とす。
「悪くなかったよ」
そして、
チャンスの手をもう一度ぎゅっと握る。
「続きする?」
その言い方は、
またいつもの挑発みたいな誘惑だった。
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