テラーノベル
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エリオットはチャンスの手を握ったまま、
にやっと笑った。
「ねぇ」
少し顔を近づける。
「照れてる?」
チャンスの眉がぴくっと動く。
「……誰が」
「だってさ」
エリオットは楽しそうに続ける。
「寝てると思って、こっそりキスしてたのに」
わざとゆっくり言う。
「バレたら急に黙るし」
チャンスの顔が少し赤くなる。
エリオットはさらに近づいた。
金色の髪がチャンスの肩に触れる。
「かわいいね」
その一言。
チャンスの表情が変わった。
エリオットは気づかないまま続ける。
「さっきも顔近づけてさ、ちょっと震えて――」
その瞬間。
チャンスが動いた。
ぐいっとエリオットの腕を引く。
ソファに体が沈む。
エリオットの背中がクッションに触れる。
「……え?」
一瞬遅れて状況を理解した。
チャンスが上から覗き込んでいる。
さっきまでの照れた雰囲気じゃない。
エリオットは少し笑う。
「怒った?」
チャンスは短く言った。
「黙れ」
そして――
そのまま顔を近づける。
距離が一瞬で消える。
唇にキス。
短い。
でも、はっきりしたキス。
エリオットの目が少し見開かれる。
チャンスはすぐに離れない。
額が触れそうな距離で言った。
「これで満足か」
エリオットは数秒黙っていた。
それから――
ふっと笑う。
さっきより少し静かな笑い。
「……うん」
指を伸ばして、
チャンスのシャツを軽く掴む。
「でもさ」
また目を細める。
「まだ照れてる顔してる」
チャンスの肩が少しだけ止まった。
エリオットは小さく笑う。
「もう一回する?」
挑発なのか、
それとも本気なのか。
チャンスの目が少しだけ細くなった。
夜のリビングはまだ静かだった。
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ゆゆゆゆ