誰かを愛したことがない
…そうやって言うけどきっと嘘。
子供の頃に笑顔で親の元に走っていってママと呼ぶ。
それも愛の印。
愛、って恋人に向けるだけの言葉じゃなくて色んな人に向けれる言葉で、それをどう使うかで自分にとってその人の価値がわかる。
…俺は皆に愛されていた
母親からも父親からも兄弟からも。
オンナにモテた。
だからといってオトコとも付き合ったりしたこともあったし、オトコの奴らからも信頼されてた。
でも、みんな離れていく時に俺にこう言う。
「つまんない」って。
面白かったら何がいいのかなって何回考えたんだろう?
勝手に俺の恋人とか言うやつになって、勝手に俺のちんことか使っといて何も面白くないとかで捨てるのはどうなの?
……人間ってすごくズルい生き物で、無駄に賢くて…
…それは小さい頃から変わらない。
もちろん変わる部分もあるけれど、変わる、と言うよりは根の性格が来たって感じだけどね。
俺は人間を辞めたかった。
ずっとずっと。__
「桃」 『青』 [もぶとかその他]
トッ…トッ…
ゆっくりと階段を下りる。
家に帰りたい…
帰りたいのに、帰る気力が湧かない。
もう、定時は過ぎているのに。
「たまには、海にでも行ってみようかな」
桃さんってカッコイイですよね!
そんな事ない、
頭も良いですし!
…違う、
優しいですし!
…違う、
…全部
違う、俺、
ザァ……ザァ……
波の音。
すごく落ち着く
〈18年前〉
「うえ…あっ…ポロポロ」
「ままぁ…ッ!ぱぱぁッ…!!」
「どこぉ…!!ポロポロ」
_小さい頃の俺は迷子になりやすかった。
そして凄く泣き虫で5歳まで泣いていた。
「う”ぇ…あ”…う”ぅ”ぅ”ッ…ポロポロ」
通り過ぎていく奴らは可哀想に…と呟いて無視する。
迷子センターに連れていく訳も無く。
“大丈夫?”
「えっ…?」
顔を上げるとそこには俺と同じくらいの子供。
“こっちっ。”
手を引っ張って、人の中をどんどん進む。
その子の手は暖かかった。
“ここで待ってたら、きっとママが来るよ!”
そう言ってニッコリと笑った。
「…ありがっ…とぉ”…ヒグッ」
“うん!”
何を思い出しているのか分からない、けど
俺には凄くいい思い出だ。
色んな奴らと手を繋いできたはずなのに、小さい頃に出会ったソイツが1番、暖かかった。
…帰るか。
いつか、その人と出会えたらいいな、なんてね。
「…え、合コン?」
[そう!1人足りなくてさ!]
[可愛い女の子連れてくるって言うから、来てくれねぇ?]
「…まぁ、…行くくらいなら…」
[てんきゅ!]
そう言って肩を叩かれた。
合コンはいいイメージが無い。
行ったことは無いのだが何となく分かる。
…愛に飢えたゴミの集まりみたいなものだろう。
言い方は悪すぎるけど…っ。
[女1 いい男連れてくんじゃん!]
[女2 君、名前なんて言うの?]
[女3 連絡先教えてよ~!]
…気持ち悪い。
吐き気がする。
だけど、そんなの構ってらんない。
「桃っていいます。ニコッ」
「連絡先ですね。……どうぞ。」
[女1 ね~ぇ、桃く~ん♡]
キモイ。吐き気がする。
わざと言葉を伸ばして、語尾に♡を付けるのにはなんの効果が得られるのだろう。
…わざと当ててくるのも気色悪い。
…そんなデカい物、当ててきたところでなんにも思わない。
俺を勃たせようとしてんのか?
馬鹿が。
俺は内部を見たいんだ。そんなお前らみたいな腐った奴らとヤってる暇ねぇんだよ。
…それに凄く酒臭い。
…酔ってるんだろうな。
俺も酔ってるけど、悪酔いなんてした事ないし、誰かを誘ったことも無い。
「では、、っ、お疲れ様でしたぁ…ッ、ニコッ」
疲れた
酒もあんまり飲まないし。
ただ、飲まされただけだもんな、
「あれ、…」
「お前は帰んないのか?」
[女4 …あ、えと、駅側なので…ニコ、]
[なんか、すみません、]
「…なんで謝んだよ」
[…凄く疲れてる感じなので1人の方がいいのかな、と。]
「……」
「疲れてるっちゃ疲れてるけどいつもこんな感じだし。」
[…なんだか、桃さんってカッコイイですよね。]
「……」
[…優しいし、3人同時に質問されても全部答えられていたし、]
「…暁媄さんはさ、」
[、はい?]
「もし、自分の愛する人が裏切ったらどうする?」
[………まぁ、絶望すると思います。]
[でも私、誰かを責めることなんて出来ずに私の方を責めるんです。]
[私が悪い。私がいけない。って思ってしまって。]
[だから、自傷してばっかで、…、って、]
[私の駄目なところ話したところでつまんないですよね、すいません、]
「……人間って愚かですよね。」
[…え、?]
「何をするかなんて分からないし、同じ人間を傷つけたり愛したりするのが人生楽しいなんて…なんだか可笑しい感じがするんです。同じ人間なのに。」
[…。]
[桃さんって不思議な事を考えますよね。]
「あの、ッ」
[はい?]
「もう1軒、飲みませんか、?」
一気に酔いが覚めた。
[だから、っ、駄目って、いった、のに、]
久しぶりに人を押し倒した。
酔いの勢いでラブホに向かった。
部屋に向かって、ベッドに押し倒して……
酔いで抵抗ができなかったのか、キスまではいけた。
でも、…
「男…」
[…変ですよね、]
[濮、可愛いものが大好きなんです、]
[だから、性別ってものを消したくて女になったんです、]
「…暁媄、さ、ん、」
[…帰りますね。]
[ごめん、なさぃ、ニコッ]
…ガシッ
[…へ、?]
体を腕の中に閉じ込めた。
…なんだか、知っている気がする。
知らないのに。
[まって、…あのっ、濮、男、]
「うん、知ってる、」
[……]
「暁媄さん、は、辛い?」
[え、?]
「女であれなくて辛い?」
[……辛いです、]
[…男は可愛い物が駄目とか、女はかっこいい物が駄目とか古い思考で駄目を決めて、あれは駄目とか、]
[…その駄目の中にも全然許しても大丈夫なのがあるはずなのに。]
「……俺と同じだね。」
[えっ…?]
「……俺もさ、辛くて堪らないの。」
「俺を俺として見てくれる奴がいないんだよ」
「…凄く、辛い。」
[濮と、同じ…ッッ]
「ごめん、」
「…今夜ももう深いし、ここで泊まってこ。」
「先にシャワー浴びる?」
[…あ、はい、っ…じゃあ、先に使わせて頂きます、汗]
「……」
なんで一夜を過ごそうと思ったんだろう。
女なんて大嫌いなのに。
ことよろおおおおおお!!!!!!✨
あとお久しぶりでんす!!!✨
コメント
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ぶくしつです。続きあるのかな、? 良ければみたいです!