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見てもらっていいですか?
マジですか?
結構前だけど
今回はちょっとR15カモしれないからセンシティブアリ
史斗×真樹
史斗 自己紹介
勉強も運動も一般よりは上ではある
ゲームオタク=陰キャ
真樹のこと「キムチ」って呼んでる
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放課後の部室。
史斗がゲームしてる背中を見ながら、キムチ(俺)はニヤリと笑った。
「集中しすぎじゃね?……よし」
史斗の背後にそっと忍び寄り、耳元に口を近づける。
「ふーっ」
「っわ!」
ビクンと肩を跳ねさせるふみとに、俺は堪えきれず吹き出した。
「ダッサ。ゲームしてる時もガバガバ警戒とか陰キャ丸出しじゃん」
「……キムチ、やったなお前」
ゲームを中断した史斗が、ゆっくり振り返る。その目が、何かを企んでる時の目だって、俺は気づくのが遅かった。
「えっ、ちょ、なに、いや返しはナシやろ!?」
逃げようとする俺の腕を掴んで、引き戻された。
史斗の顔が、想像以上に近い。
「さっきの、こうだったっけ?」
ふいに耳元で、吐息。
ゾクッと背筋が震える。やば。こっちの方が断然ヤバいやつじゃん。
「は?ちょ、や、史斗ってさ、攻めに回ると怖――っ、ちょ、そこはダメだって!」
耳たぶを軽く噛まれ、息が漏れる。
ふざけてたはずなのに、俺がされる側になった瞬間、頭が真っ白になる。
「……反応いいね、キムチ」
「てめっ、ふざけんなマジで、名前で煽んなし……っ」
顔が熱くて、心臓もうるさい。
しかも、史斗がゲームの時より真剣な顔してんのが、一番ずるい。
「もう……イタズラ返しとか、しねぇから……!」
「そ?じゃ、またされたら、また返すね」
「……鬼か」
ふみとの「また返すね」って言葉、どうせ冗談だろって思ってた。
……のに。
それから数日後、放課後の教室。
俺がダラッと椅子に座ってると、後ろから気配。
「よっ」
「わ、びっくりした!何だよ、ふみと!」
「元気そうでなにより。……ねぇ、キムチ、また耳で反応するかな?」
「は?ちょ、お前まだ引きずって――んっ……!」
言い終わる前に、ふいに耳たぶを甘く噛まれた。
ふみとの手が、机に肘をついて、俺を囲むように立ってる。逃げ場ゼロ。
「こないだ、楽しかったからさ」
「な、っ……この教室、人いるかもだろ……!」
「でも誰もいないよ。てか、いたらいたで、反応しないってこと?」
耳元に息を吹きかけながら、低い声で囁かれて、心臓が暴走する。
やめろ、それ以上はマジで危険領域。
何が怖いって、自分が史斗のイジワルに慣れ始めてるのが一番怖い。
「っ、……おい。……あんま調子のんなよ」
「お、キムチが怒った」
「怒ってんの!本気で……って、笑ってんじゃねぇ!」
史斗が口元を手で隠して笑う。
その顔、やっぱちょっと好きになりそうでムカつく。
「……じゃあ、キスは?」
「は?」
「耳はダメそうだから、今度は口。試していい?」
「や、やめろバカ、そっちのがヤベぇだろッ」
顔を逸らす俺に、史斗はじっと目を合わせてくる。
――なにその目。冗談じゃない。……でも、ちょっと本気っぽくて。
「……逃げないで」
「……っ」
次の瞬間、史斗の唇が、そっと重なってきた。
優しくて、あったかくて、ちょっと甘かった。
(まじかよ、俺……完全に負けてるじゃん)
史斗が離れたあと、俺は何も言えなかった。
ただ、耳まで熱くなってるのをごまかすので精一杯だった。