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※第1章から見ることおすすめします。
第3章 閉ざされた扉
2月10日
今日から日記を始めたいと思います。久しぶりの日記で最後に日記を書いたのは確か、高校2年生だったと思います。あれから30年が経って今はもうその日記がどこにあるか分かりません。でも今日からはじめるこの日記でまた新しい人生があることを願っています。それでは
2月15日
少しだけ日数が経過してしまいました。これは忘れていたのではなく時間が無かったためです。言い訳に聞こえますがこれは事実です。うちの娘のミナミは最近第1志望だった高校を受験し見事合格したんです。合格した時のミナミはとても嬉しそうでうれし涙を流しながら私の方に報告してくれたんです。私もついうっかり泣いてしまいました。あんなに勉強しなかった子が受験のために徹夜までして勉強したんですから心も体もボロボロな状態で受験をしに行ったから嘸かし嬉しかったと思います。しかしなぜ私はあの高校に行きたいのか分からないのです。聞いてみても「答えたくない」この一点張りです。私はいちいちしつこく聞くと嫌われるかもしれないのでこれ以上聞くことはしませんでした。でもある日突然教えてくれたのです。なぜ急に教えてくれたのかは分かりませんがミナミによるとあの高校は私が1番行きたかった高校であり尊敬している場所でもあると言い至って普通の理由でした。私は逆にこんなに興味を持っていたのに普通の回答でガッカリしました。今どきの中学生はあまり言えないことが多いのでしょうかもう40過ぎている私には理解できません。私が中学時代の時は包み隠さず色んなことを家族に話していました。私の生まれた子供ならきっと私に似るだろうと思っていましたがミナミは何故か私には似つかなく無口で影の暗い夫に似てしまったのです。だからあまりミナミとは口を聞いたことがありませんでした。でも面白い番組や好きなアイドルの話になるとミナミもそれに乗っかってとても楽しそうに話し出すんです。わたしはそんなミナミをているだけで幸せでした。これは親バカなのでしょうか、いやこれは親なら誰もが思う娘に対する純愛です。
2月20日
今日は家族と親戚が集まってミナミの受験合格パーティーをしました。あまり受験合格パーティーをする家族は聞いたことはありませんがせっかくのこの機会を楽しみたいと思いました。そしてこのパーティーの主役であるミナミは頭に100均で買った全体を金色のスプレー装飾した安っぽい冠を頭に被り大きな垂れ幕のようなタスキを肩に掛けて登場してきました。これを見た親戚たちはかわいいと言っていましたがその言葉にあまり想いは乗っていないような気がしました。ミナミもその言葉にあまり感情は篭ってないと思っていたのでしょう。パーティーの時はあまり嬉しそうではありませんでした。多分自分が主役となると緊張してしまうのではないでしょうか。私もその気持ちはわかります。学生時代の頃の私はクラスの中でも暗い印象で教室の隅の机で本を読んでいる存在でした。もしかしたらこういう所も似てしまったのかもしれません。親戚の人達は、お土産やプレゼントを持ってきて下さりミナミはこの時初めて笑顔を見せました。それを見た親戚の方たちはとても嬉しそうな顔をして私も笑顔になりました。そして夫がケーキをオーダーしておりそのケーキをみんなで食べることにしました。チョコプレートには「合格おめでとう!」と書いてありました。でもそれ見た瞬間ミナミは「は?何これバカにしてんの。」と言い自分の部屋がある2階に駆け上っていきました。何が不満だったのでしょうか?私も夫もどうなってるんだと戸惑いを隠せませんでした。仕方なくケーキは冷蔵庫にしまってまた後日食べることにしました。私はミナミの部屋に行きどうしてあんなことをしたのだと聞きました。すると「全部お母さんのせいだ」というのです。どういうことか全く分かりませんでした。ただ私は、ちゃんとミナミが受験に合格するためにテレビを禁止したり、友達との交流を制限したりと全てあの子の為になることをしたまでですが何がダメだったのでしょうか、私の子供の時代こんなのあたりまえでした。最近の子はメンタルが弱いと思っています。メンタルが弱いからいじめや不登校が起きるのになぜ自分から強くしたいと思わないでしょう。私はそんなミナミにはなって欲しく無いためしただけです。ミナミは彼氏もいませんでもそれで良いんです。私が大切に育てた娘に男は要りません。ずっと私のそばに居てくれればいいのです。それだけで
2月25日
ミナミの様子がおかしいのです。何故かご飯もまともに食べずにずっと部屋に引きこもっているのです。私はなぜご飯を食べないのか聞いてみました。そしたら「学校の先生が私の事を馬鹿にしてくる」と言ったのです。私はそれに腹を立て学校に電話してやろうと思いました。でもミナミが「やめて、余計なことしないで」と言って止めたのです。なぜとめる必要があるのでしょうか。直接その人に対して言えばすぐに謝ってくれて解決するのに、何故でしょう。うちの子は完璧だと、私から生まれた子は天才だと思っていましたがミナミは違ったようです。この私から産まれた子は顔を性格も全て完璧だと思ったのにどこで間違えたのでしょうかきっとそれはあの夫のDNAがミナミにも入ってしまっているからです。夫のDNAさえ入っていなければミナミは完璧な子でした。私はミナミに対して目を覚まさせるように、顔に2発平手打ちをしました。ミナミの頬は赤くなりましたがそれでも部屋から出ようとはしません、私が悪いと言うのでしょうか、私はただミナミに強い心を持って欲しいと思い平手打ちをしただけです。これは暴力ではありません。そう暴力では無いのです。私が小さい頃は体罰があって当たり前でした。体罰があってこそ私の心は強くなったと思います。だから私はミナミの頬に平手打ちをしたのです。何がおかしいのでしょうか私は不思議で仕方ありません。その後夫に衝撃的な話をさせられたのです。ここではあまり話せない事なのですがありのまま告白しようと思います。離婚を切り出されたのです。既に離婚届には夫の名前と印鑑、住所が書かれており私の名前と印鑑の所は空白のままでした。私は突然の事で驚きましたが。私は躊躇わず、名前とハンコを押しました。これでミナミは私のものです。ちなみに親権は私に譲渡されました。これで私の敵はいなくなりました。これからはミナミと楽しく暮らしていきます。多分いや絶対ミナミも嬉しがることでしょう。今後の生活が楽しみです。
3月1日
3月を迎えました。ミナミの学校は絶賛卒業式の練習をしているようです。そんな朝でした。ミナミが学校に行った平日の朝チャイムが鳴り誰かとインターホンを見るとそこには警察がいたのです。私は何事かと思い玄関の前まで裸足で行ったのを覚えています。インターホンでは1人しか見えなかったのですが玄関の扉を開けると2人の警察官がいました。ここの近隣で何が事件があったのかと思いましたが思い当たる節がありません。すると私に逮捕状が出ていると言ったのです。罪状は暴力罪でした。私は戸惑いを隠せなくなり混乱してしまいました。私はまっ先に違いますと否定をしました。でも警察官の方たちは聞く耳もたてません。とりあえず私はパニックになったのか警察官を招き入れリビングで話を聞かせて欲しいとお願いしました。すると警察官は快くリビングに入りなぜ私に逮捕状が出ているのか教えてくれました。それはミナミに対する暴力が原因でした。私はふっと思い出しました。ミナミが小さい頃私はミナミが泣く度に大声を上げたり、手首をつねったりして泣くのをやめていました。私もお母さんにそうさせられていたためこれが普通だと思っていたのです。約束を守らなければ家の外から出したり、クローゼットの中に閉じ込めたりもしました。これも普通の家庭ならやって当たり前だと思いやっただけです。でもこの日初めてそれは全然ミナミにとって害にしか無かったことを知りました。私はミナミに対して。酷い事をしてしまったと思い絶望しました。なぜミナミにあんなことをしてしまったのだろうと思っています。警察官はまた後日訪問するといいました。こういう時すぐに私の事を逮捕すると思いましたが何故か警察官は今日は事情聴取だけで終わりました。だけど私に時間が余りました。私はミナミに酷いことをしてしまったのです。それはとても苦しかったと思いますし私はなんて最低なことをしてしまったのかと思いました。私は私なりの償いをしなければなりません。謝るだけでは済まないこの事実に私は目を背ける訳には行きません。これが最後の日記です。ミナミへ、合格した高校ではちゃんと楽しい学校生活を送ってください。マコト(夫)さんへミナミのことを守ってあげてください。きっとあなたなら大丈夫です。ずっとあなたの事を非難してごめんなさい。でもあなたの事を愛していたのは本当です。私はこの罪を晴らすために遠い世界に行きたいと思います。皆さんお世話になりました。ありがとうさようなら。
この先、執筆なし。