小川さんside
それから俺は智さんや藍に話かけようとすると元稀に遮られている気がしたため藍をカフェに呼び出した。
「智さ~ん!」
「ん、藍来てくれてありがとう。」
「い~え、それで話ってなんですか?」
「話っていうのはお互いの恋人
について なんだけど?」
「あぁ、その話ですか?」
「うん。なんか最近、おかしくない?」
「確かに、小川さんとか山本さんとか、
関さんと話そうとすると祐希さんに
高確率で呼ばれたりしますからね?」
「やっぱり?俺もなんだよね、智さんと
対人したり話したりしようとしたら元稀に
高確率で呼ばれるの。」
「もしかしてですけど、俺達の恋人って…
2人で共謀してなにかしてたりします?」
「無いとは思いたいけど、そうだと思う…」
軽くため息を吐いてそう言うと電話が鳴る
「ん?藍じゃない?スマホ鳴ってるの?」
「え?あ、ほんまや!祐希さんから!」
そう言うと藍は慌てて席を外す。
すると、俺のスマホも鳴った。
「うわ、俺も電話だ、誰からって…
元稀からじゃん…早く出なきゃ…」
そして鞄を置き俺も席を外す。
「もしもし?どうしたの?元稀?」
「智…今どこにいる?」
「今?カフェだけど?」
「ふ~ん、しかも藍といるんでしょ?」
「え、そうだけど、何?」
「早く帰ってきてくれる?」
「なんで?」
「なんでって、智に必要ないからだよ。」
「は?何が?」
「何がって、智には俺以外必要ないでしょ?」
「何言ってんの?もちろん元稀は
必要だけど 友達だって必要だよ。」
「へぇ、一度身体の関係になった
友達が必要なんだ?」
元稀は俺の傷を抉るようにそう言う
「身体の関係って…あの時は どうかしてた..
もう藍の事は友達としか思てないよ。 」
「でも1回はそういう目で見たんでしょ。」
「それは…」
「1回でもそういう目で見たって事は
またそうならない事もないでしょ?」
「もうそうなる事はないってば!」
俺が本気でそう言うと
「信用出来ないんだよ。だから
藍と関わって欲しくない。」
「信用出来ないって…
恋人なら 信用しろよ…」
「あんなとこ目の前で見せられて
信頼出来ると思ってるの?」
「そ、それは…。 」
俺が言葉を詰まらせると
「これで分かったでしょ…俺が信用出来なくて当然なの…こんな事出来れば俺だって
したくないよ…」
電話先で元稀の声が震えているのを聴き
涙が溢れそうになった。
「ごめん…言いすぎた…それに俺が
元稀をそうさせたんだよね…」
「そうだよ…不安で…不安で仕方なくて…」
泣きながらそう言う元稀にこう言った
「元稀…電話切るね…」
「え、なんで…やっぱり藍がいいの…?
また藍とホテルに行くの…?」
「いや、今から帰る…だから
家で 待ってて…。」
「分かった…待ってる。」
そして俺が電話してる頃藍は
「祐希さんどうしたんですか?」
「藍…早く帰ってきてよ?また
小川と 会ってるんでしょ?」
「え、誰と会うとか言ってへんのに
なんで分かるんですか…」
「分かるよ、藍が誰と会うかなんて…」
「そうなんですね…でもなんで急に
帰ってきてなんて…」
藍がそう聞くと祐希さんは震える声で言った
「不安なんだよ…小川と二人で会って…
また酷いことされないか…!」
「小川さんはもうそんな事しませんよ…! 」
「へぇ、小川の肩持つの?
恋人の 俺じゃなくて?」
「へ、あ、えっと…小川さんもきっと反省
してるので!それに小川さんの肩を持ってる訳
では無いです!」
「信用出来ない…とにかく早く家に帰ってきてくれる…?藍の顔見なきゃ安心できそうにないから…」
「ん、分かりました。帰りますね?」
そしてお互いにお開きになった。
元稀と暮らす家で
「ただいま。」
「智おかえり。」
暗い声で元稀は言うと俺を抱きしめた
「ん、不安にさせてごめん…」
「別にいいよ。」
「でも、あんなことした手前、元稀が
不安になるのも納得した。」
「ふふ、分かってくれたならいいよ。」
元稀は優しい声でそう言うと俺から離れ
キッチンへ向かった
「外寒かったでしょ?温かい飲み物
作ったから一緒に飲もう?」
「うん、飲む。」
そう言うと靴を脱ぎ元稀の後ろをついていった
「はい、コーヒー。」
「ありがとう。」
そしてコーヒーを飲む。するとコーヒーの
暖かさでじわりと身体が暖かくなった。
「ん、温かい…」
思わずそう言うと
「ふふ、そうだね。」
元稀も頷き共感するようにそう言った
「ねぇ、智これ飲み終わったら
お風呂 入らない?」
「お風呂?いいけど?」
「良かった、じゃあ智の好きな
入浴剤入れて おくね?」
「ほんと?ありがとう。」
軽くお礼を言うと元稀は風呂場に向かった。
「電話先で泣いてたから心配になって
帰ってきたけど、割と普通そうだな…」
そう思い安堵するも、俺はこのあとそんな
元稀の俺に対する思いを思い知らされる
事になる。
コメント
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気になる〜!💞
きゃー♡ 続きが気になります🤭✨✨