テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ピエール77世の美味しいピザをお腹いっぱい食べ、大満足な足取りでメインストリートのショップ街に向かう。
「全く! サーティーンさんってばほんとデリカシーに欠けるんですから!!」
サーティーンの下着発言でジャンヌは少し怒りながら歩いている。
私のために怒ってくれているのだけど、
……ぷりぷり怒ってる感じが、とても可愛い。
「まぁまぁ、サーティーンのデリカシーのなさは今に始まったことじゃないですから…」
あいつ、画面の向こうで見てる時からだいぶ失礼だからね。
「……そうですけど。よし、気を取り直して可愛いお洋服見てまわりましょう!」
私が今着ているのはいわゆるオフィスカジュアルで、しかも動きやすさ重視のパンツスタイル……正直なところ、可愛くはないな。
「せっかくですので、スカートとかどうですか? 似合うと思います!」
そう言って勧めてくれたのは、サイドスリットの入ったタイトスカート。ベロア生地に淡い水色がとても上品で可愛い。
しかし頭の中のサーティーンが、
私に囁く……。
『相棒がスカートぉ? なるほどなぁ〜これが馬子にも衣装ってやつだな!』
……頭の中のサーティーンも失礼だった。
私が唸っていると、隣のジャンヌさんはそれに合いそうなビジューのついたカットソーや透け感のあるシフォンブラウス、さらにフレアワンピースなど、次々とカゴに入れていく。
「当面必要でしょうから、いっぱい買っちゃいましょう!」
そうしていっぱいになったカゴを待ち、試着室へ。
「やっぱり似合うじゃないですかー!」
…いつの間にか着せ替え人形よろしく、
あれやこれやのファッションショーに。
「せっかくですし、こちらの服に着替えてカフェで休憩しませんか? 一番大事なインナーも買いに行かないとですし。」
あ、大事な下着のことですね〜!
……あのノンデリ男が頭によぎるね〜!!
ふるふると頭の中のサーティーンを振り払い、私は一番気に入ったシフォンブラウスに水色のタイトスカートへと着替えた。
ランジェリーショップに向かいつつ、近場のカフェのテラス席に荷物を置く。
「私、飲み物買ってきますので、先に席で休んでてください!」
お言葉に甘えて席に座り、ひと息つく。
テラス席は通りに面しているせいか店内に比べてあまり人がおらず、周りを気にせずゆっくりできそうだった。
「そこのめっちゃ可愛いお姉さん! 買い物の荷物重そうじゃん! お家まで一緒に持っていくからお話しない?」
急に横からバニラのキツイ香水が漂うと同時に、チャラそうな男が話しかけてきた。
「近くで見ると可愛すぎ! 連絡先教えてくんない? マジタイプなんだけどww」
勝手にジャンヌさん用の席に座ると、ぐいっと隣を詰めてきて、さらに手を撫でるように握ってきた。
「すみませんが友達と来ているので…席どいてくれませんか? あと手を離してください。」
逆上されると面倒だし、
今はジャンヌさんもいない。
ここは穏便に落ち着いて対処を……。
「え〜! 良いじゃん! てか手すべすべw ちょっとエロくねww」
鳥肌が全身を駆け巡る。
え、気持ち悪いし……がっちり腕を掴まれてて、離れない……
怖い……どうしよう。
……こんな経験ないから、わからないよ!
「そこのオニーサン、……俺っちの相棒に勝手に触ってんじゃねーよ。」
チャラ男に大きな影が重なった瞬間、ギリギリと音が聞こえそうなくらい、チャラ男の腕が後ろに捻りあげられていた。
「あだだだだ!!! ギブッギブです!!!」
チャラ男は早々に白旗をあげ、腕が解かれた瞬間、逃げ去っていった。
「……ったく、俺以外の野郎に簡単に触らせてんじゃねーよ。」
低く、少し怒っているような声で呟く。
「……ぁ、サーティーン」
私が言い終わる前に、グイッとサーティーンに抱き寄せられた。
「……俺だけの相棒なんだからよ……だから、ああいう時は俺を呼べよ……」
「……すぐ行くから。」
彼の吐息が、声が、耳元で聞こえる。
顔が、熱い。
鼓動が聞こえる……。
……私はギュッとサーティーンの背中に腕を回し、安堵と共に彼の胸に顔を埋めた。